徳川いれずみ師 責め地獄

劇場公開日:

解説

「残酷・異常・虐待物語 元禄女系図」の掛礼昌裕と「異常性愛記録 ハレンチ」の石井輝男が脚本を共同執筆し、石井輝男が監督した性愛路線第六作。撮影はコンビのわし尾元也。

1969年製作/95分/日本
原題:Hell's Tattooers
配給:東映
劇場公開日:1969年5月3日

ストーリー

苛酪な拷問や刑罰が行なわれていた徳川時代。一人の女が墓を掘り起し、男の腹を引裂いて鍵をつかみだした。「これで女に戻れる」と呟きながら、その女は数日前の出来ごとを思い浮べていた。両親に先立たれた由美は、残された借金返済のため、与力鮫島の口ききで大黒屋に奉公した。しかし、そこは刺青女がたむろする異様な売春宿だった。女主人のお竜は、異常な女で由美の体にひかれていた。そして、由美の肌に惚れこんで墨を入れる刺青師彫秀をねたみ、昼夜となく由美を愛撫した。ある日、縛られた由美が弦造に襲われ貞操を奪われた。しかし事はすぐ発覚、お竜は由美を独占するため、貞操帯をはめてしまった。それから、お竜の口ききで彫辰が墨を入れはじめた。やがて、将軍上覧の刺青競演会が開かれ、由美の肌で競いあった彫辰の“水門破り”と彫秀の“吉祥天女”は甲乙つけがたく引分けとなった。それからというもの各藩の重役たちが、大黒屋を訪れるようになった。由美が弦造の子を妊んだ事に気づいたのはそんな折、子供産みたさに貞操帯の鍵を呑みこんで殺れた弦造の墓を掘り起したのだった。しかし、由美はすぐさま捕われ、火責め刑に処せられた。刺青女の噂は異国人の間にもひろまり、墨を入れた女囚たちが続々と長崎へ送られた。鮫島が金儲けを企む領事と結託したのはそんな折だった。鮫島は江戸一の刺青師彫五郎を殺し、その罪を負わされた彫秀は島流しに処せられた。一方お竜は、生娘のお鈴に目をつけ、彫辰に墨を入れさせて、長崎へ送った。しかし、辱めを受けたお鈴は服毒、島破りをして長崎に来た彫秀に一部始終を話すと息をひきとった。復讐を誓った彫秀はクレイトンの娘を誘拐、無理やり墨を入れた。領事館で刺青競演会が開かれた時、彫秀作の“人間ハリ鼠が”登場して、場内は騒然となっこ。だが、その時会場に突然火の手が上り、彫秀に追いつめられたクレイトン、鮫島、彫辰たちは火に包まれた。そして、その場を逃れたお竜も追手に捕われ処刑された。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.0いれずみ対決

2021年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

江戸で評判の刺青師が将軍の前で優劣を競う。
勝つにはいれずみに向いた肌を持つ女が必要、と裸のオンパレードとなる。
前半は江戸、後半は長崎が舞台。

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いやよセブン

2.0リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール

2016年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

単館小劇場が独自の企画でもって、特集で『○○しばり』で興業を行うことはよくある。こんな時代に映画館を作ろうとするドンキホーテ的な変人なのだろうだから、企画力もたいそう強いモノなのだろう。そういう意味で、たまたまネットでヒットしたこの手の映画、なかなか上映する所なんてないのだろうから、興味本位で鑑賞してみた。
京都太秦が斜陽になりかけのころの徒花的な企画で作られたのだろうが、1960年代、一体誰がこういう作品を鑑賞したのだろうか。時は学生闘争華やかかりし頃だったから、こういうエログロナンセンスのサブカルが流行っていたのだろう。おおらかで羨ましい時代である。
“刺青”、又は“TATOO”は、今でこそファッションとなり、海外のサッカー選手のみならずセレブの間でも何かしら彫ってはいるが、いわゆる“和彫り”と言われる施術は流行だけでは語られない根の深いものを感じる。勿論、日本だけはなくアジア全般にこういう文化があったのだろう。始めは宗教に則したもの、続いて拷問、そしてアートとしての昇華。正直理解はできないのだが、だからこそ外野としての下世話的視点で興味をそそられる。罪の意識、背徳感、それ故の薄幸感・・・
そこをあまり深く掘り下げる訳でもなく、一定の深さで留め置く感じが本作品の基準である。即ち、あまり感情深く、又精神的に深くダイブすることなく、でも適度のカタルシスと一応の勧善懲悪的な仕上がりを施している。その絶妙のバランスがメジャー映画会社故の落とし処なのかもしれない。とはいえ、今の時代にこのレベルであっても直ぐに却下されるコードであるから、それはそれで古く良き時代を楽しめる作りにはなっていると思う。

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いぱねま
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