ゴジラの逆襲のレビュー・感想・評価
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いろいろなものの原型がわかるかも
ゴジラ第一作に続いてこちらを観ました。そんなに間はあいてないようですが、特撮はよくなっていました。ゴジラを遠くから観たときは相変わらず人形っぽさが出てしまいますが、近くで見たときなどは迫力があり、ほかの破壊されたり、水が溢れたりといった部分はかなりリアルになってきていました。ストーリーとしてはマイナスワンを彷彿とさせる飛行機乗りの人間関係が中心に。ゴジラ映画はゴジラを描くというより、ゴジラはあくまでも得体の知れないもので、それに対する人間達を描いたものなんだなとあらためて思いました。
で、死亡フラグが非常にわかりやすかった。これより前の映画でも死亡フラグは立っていたのかなあ。今の人たちにはわかりすぎてしまうけど、当時の人たちは気づかなくて驚いたのかも。そういうことを考えながら観るのも楽しかったです。
これは酷い
前作で死んだゴジラが再び。
ゴジラは一匹だけでは無かったらしい。そして、他の怪獣も出現。前回、ゴジラを葬った方法は考えた学者毎今は無く・・・・どうする。
ここまでは良いんだけどさぁ。
ゴジラの第一発見者とは言え、民間の漁業会社パイロットに状況説明をして貰った後、彼らを同席させたまま対策会議・・・・えぇ・・・・・。
以後もゴジラが上陸、灯りに反応する為に照明を制限した町を受刑者用護送車が走る。いや、流石に中止させるだろ。しかも、手錠もせず、受刑者同士を腰紐とかで繋げるとかもせずに脱走され、逃走に使ったガスタンク車の事故で火災が起き、沖に去ったゴジラが再び上陸。
舞台が北海道に移り、北海道支社に異動してきた最初の民間機パイロットも何故かゴジラ捜索に参加。挙げ句、元軍人だったからと言え、航空自衛隊のジェット戦闘機を操縦したり、もう一人の民間機パイロットはプロペラ機でゴジラを煽って返り討ち。最後はゴジラを雪で生き埋めしたから「やっつけた!」で完。なんじゃそれ。
新しい怪獣を出した意味も殆ど無く、一作目が受けたから急いで作ったのが丸わかりの駄作。
名作になれなかった凡作
怪獣同士のプロレス対決、航空機での応戦など怪獣映画の定番を生み出した作品
昭和シリーズの相棒となるアンギラスのデビュー作でもある
だが、人間ドラマが薄く、悲壮感も足りない
おバカな囚人のシーン、あれいる?
最後の特攻も人命軽視でたくさんパイロットが亡くなっているのに悲壮感も足りない
昔の映画だからそこまで求めてはいけないが、初代と見比べるとどうしても見劣りする
ゴジラ二作目記念すべき怪獣対決、円谷英二が特技監督というクレジットを確立した作品。
独自採点(62):市街地ミニチュアセットスケール1/ 25(超全集)
制作田中友幸、監督小田基義、特技監督円谷英二、音楽佐藤勝
通称:逆ゴジ・登場怪獣:アンギラス・防衛:防衛隊/(クレジット無し)「海上防衛隊」・昭和30年4月24日封切り・白黒スタンダード/上映時間:1時間22分・上陸地(大阪湾此花区)・破壊地(大阪湾岸工業地帯・大阪城)・特撮爆破炎上破壊規模B(初ゴジよりは少なめ)
特徴:目線が対戦怪獣向けに正面、首のシワ覗き穴目立ち、尻尾が柔軟、背びれ3番小さい、足指4
志村喬・千秋実・土屋嘉男・小泉博はじめ黒澤組の名優が出演。全体的に暗いトーンでかつホワットした映像はクリアだと着ぐるみが陳腐に移るのでフランス映画の影響を狙って撮影したという。
初代からわずか5ヶ月後の公開だったことからも準備不足が否めない作り、途中ゴジラの被害報告する場面では前作の映像をそのまま流用している。正直第一作目がこの出来だったらゴジラの歴史は続かなかっただろう。
対戦怪獣のアンギラスも元々は別の作品になる予定だったらしいが、前作の歴史的大ヒットによりゴジラの対決怪獣第一号として登場する事に。ただしゴジラスーツは格段の進化を遂げて格闘シーンでは驚異的な動きを見せる。戦う舞台は大阪、前回が東京だった事もあり大阪経済界から「ぜひ大阪に」と言う中々政治的な大人の事情も笑える。特撮は地下鉄の天井が崩れ大量の水が流れ込むシーン(東宝の大プールは未完成だが、のちに「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」のために大プールを設計した井上泰幸こだわりのシーン)や大阪城破壊シーン(大スタジオ完成)は見応え十分だ。ゴジラの上陸は小プール(ひざ下)。観客動員はゴジラ作品の中でも3位と映画が娯楽の中心だった頃の動員数は今更ながら驚異的。ただ、前作からかなりの短期間で作られたこともありゴジラの登場シーンが少ないのは残念。
時代:人口:9千万人(封切料金¥130※実勢価格約半額)、団地の平均家賃は47,900円、TBS開局、後楽園遊園地オープン、都内にスモッグ発生(毎日ムック)、初のアルミ1円発行、ソニー初のトランジスターラジオ発売、平均寿命(女性68歳・男性64歳)、ラッシュアワーの押し屋アルバイト初登場、銀座交差点は都電走り銀ブラをする人の風景、日本電信電話公社が料金前納式の公衆電話機を発売、 トロリーバス池袋駅 - 千駄ヶ谷四丁目間・千駄ヶ谷四丁目 - 渋谷駅間開業(68年廃線)、物価ガソリン¥37/1ℓ・ビール大瓶¥125円/自動車保有台数16万台、前年末からの神武景気で高度経済成長著しい時期、英国が水爆製造開始、東京国際空港(羽田空港)の先代のターミナルビルが開館、ワルシャワ条約機構結成=冷戦激化、 日本住宅公団(現在の都市再生機構)設立
好きなショット:44’大阪城門越しにアンギラスと睨み合う
見直すと素晴らしさがわかった
何度か見ていたが、終わりに納得がいかず、自分的には駄作と思っていた。
今回、U-NEXTで全作品を配信しているときき、順にみることにしました。
この作品も見直してみたら、結構面白い!
人類が今ある力でゴジラと対峙するのは、マイナスワンと似ていますね。
北緯53度 東経148度ってロシアの領海だよ。プーチンじゃなくても怒ると思うが。
焼夷弾を使うのは、戦後まだ10年位で許される映像なのだろうか?
『ゴジラ』が一番良いと言うが、その他のゴジラシリーズなんて、見る価値のある映画はないと思う。しかし、こういった映画で育ってきた世代としては情けなくなる。また、大阪の空襲による大火も現実に体験した人達はどう考えていたのだろうか?無神経な映画である。
黒澤明監督作品に出演していたような俳優がこういった映画に出なければ食っていけない日本の芸能界は情けない。60年以上経つ今もそれは変わらない。
ゴジラはエラ呼吸のはず。何故?陸上で縄張り争うするのか?分からない。同時にエラ呼吸でないならば、オキシジェンデストロイヤーの効果がわからない。ストーリー進行に矛盾があるのが、見る価値が無しと言う理由だ。
北緯53度 東経148度ってロシアの領海だよ。プーチンじゃなくても怒る。
2作目のゴジラ
50年代にしてある種の完成形ともいうべき作品。
ドラマありきの怪獣映画。
大阪の街が破壊され、主人公達はやむなく北海道の支社を拠点に仕事を再開するところなどから、ゴジラを災害と捉える、いわゆるディザスタームービーとしての側面を持っていると思う。
ただ、準主役級のパイロット小林には正直あまり感情移入出来なかった。
おバカな囚人、大坂の陣
ゴジラ退治には有効な手段がない!芹沢博士は死んでしまったし、唯一の最終兵器オキシジェン・デストロイヤーの作り方がわからないのだ。水爆実験の影響のためか、ゴジラは光に過剰に反応することを防衛隊に伝えた山根博士。とりあえず大阪から追い出す作戦に出た。もちろんイソジンや雨合羽は通用しない・・・そこへ脱走した囚人たちが火災を起こしたため・・・
ゴジラ対アンキロサウルス(通称アンギラス)のおかげで大阪城は破壊。市内は焼野原となり、さながら戦争の爪痕の悪夢を再び経験することになった。漁業会社のパイロット月岡、小林たちは北海道支社に向かい、あろうことかそこでも逃げたゴジラを発見する。
とにかく前作の素晴らしさを踏襲し、モノクロームの効果もあって大阪決戦はかなり緊迫感、悲壮感が漂っている。アンギラスとの戦いはプロレスというより相撲のような雰囲気だったけど、何のため2匹は大阪にやってきたのか!?破壊するためか?このやろー!
この前半部分はとてもよかったのに、雪山での決戦がちょっと気になる。小林なんて月岡に恩を返すつもりだったのかもしれないが、武器も持たない民間機でそこまで追い詰めることはない。ただ、皮肉なことに雪山に激突したため、雪崩でゴジラを封じ込めるというヒントを与えてくらたのだった。
そして防衛隊の攻撃によるクライマックスとなるわけだが、これがもう特攻隊そのもの。爆撃では雪崩を誘発できず、次から次へと戦闘機が雪山に激突していくのです。なんだよ・・・こんな特攻精神なんか見たくなかった。島の名前も神子島だし、神風が吹くのを待ってたかのような。前半だけでやめときゃ良かったのに・・・
ただの怪獣に成り下がってしまったゴジラが哀れ
初代ゴジラは戦争や原爆・水爆による破壊の産物であったが、翌年のゴジラはただの手強い悪者であった。特撮による映像にだけ関心がある様に思えてしまう、お子ちゃま向きの活劇的映画。ゴジラ相手に闘う飛行機乗りが、あっさりと次々とやられてしまうのは、特攻隊的精神を尊ぶ感性からか、どうも気持ちが悪い。人工的に引き起こした雪崩で、口から炎を出すゴジラが埋もれてしまうのも、あまり説得力が無い。どうして、怪獣同士が戦っているのかも、全く理由が分からない。
怪獣プロレスの始まり始まり~
①若いときは小泉博、男前だったのですね。でも声が高くて男前ではなかったのが残念。②千秋実がもうけ役。実は親友のフィアンセを好きだったことが判るのはよくある設定だがホロッとさせられる。③子供の頃に見たら信じ込んでいて成長してから裏切りただろうてど、この年になって観ると「はぁ?」が多出。先ず、何故ゴジラとアンギラスが伊良戸島でケンカしてたら説明まるでなし。偉そうな先生が、「アンキロサウルス=アンギラスで肉食の暴竜、体長は100メートルくらい」現代では絞首刑ものですな。アンキロサウルスは草食のおとなしい恐竜ですし、怪獣でもありません。④ゴジラとアンギラスの戦いは撮った写真を早送りしたのでしょうが、怪獣の闘いは本来これくらいのスピードでなされるはずで後のもったりしたやり取りに慣れた目には新鮮でした。火炎噴射で焼き殺されると聞いていたのに、本当の死因は首を噛み切られるのね。⑤結局大阪も壊滅的な被害を受けるのてすが、中之島大壊滅で御堂筋線淀屋橋駅が水浸しになってしまいました。壮観ん。桑原桑原、お決まりの大阪城破壊(これが怪獣映画最初?)ですが、この後「キングコング対ゴジラ」での小田原城破壊、まるっきりオマージュの「ガメラ対バルゴン」の大阪城を挟んでの死闘、「ウルトラマン」のゴモラによる破壊と映画的記憶は引き継がれて行きます。⑥初代「ゴジラ」も厳密に言えば映画としては傑作ではありません。が、この作といい当時の東宝が怪獣映画おいうジャンルを造り上げようという意気込みが感じられて宜しい。⑥初代「ゴジラ」に比べ、大阪があんなに壊滅したのに確かにお気楽ムードですが、それはやはり大阪人の方が明るくたくましいということで。⑦氷詰めになったゴじラは次の「キングコング対ゴジラ」で華々しく氷山の中から出現してくれます。⑧この頃からゴジラは毎年日本に上陸する台風扱いになっていくのがわかります。新型コロナウイルスと人類が共存していくか、はこれからの課題ですが、ゴジラと日本人は昔から共存していたのですね。
高いハードルは下げなきゃ次が飛べないのだ
シリーズ続編は難しい
ゴジラもまたしかり
特撮部分は力が入っているのは分かるが、ドラマパートのクオリティダウンは目を覆うばかり
前作同様黒澤組から志村喬がワンシーンだけながら出演し、それでは不足と千秋実までつけているが脚本のレベルが低すぎた
前作で観られた国会委員会などの美術や大戸島の撮影など成瀬組のカメラや美術の素晴らしさは見る影もない
音楽は普通こんなものだろうが、前作の伊福部昭を聴いてしまっていてはもの足らないばかり
前半の大阪編は日本各地を舞台にする続編制作の為なので当然のこと
アンギラス登場も新味を出す為には良い施策
と、ここで強引に北海道パートに移る
何故に北海道なのか
もちろんクライマックスの氷漬け作戦の為だ
では前半は大阪でなく何故札幌パートにしなかったのかと思うが、さほど壊して華のあるものがないという身も蓋もないことが理由だろう
大阪編は、対策本部は警察本部に置かれており、現場でも警察部隊が仕切っているように思える
しかし、防衛隊の活躍を特に北海道編はフィチャーしていた
何故に北海道編になると軍事色を強めたのか
やはり、当時の国際情勢が反映されていたものだろう
当時はソ連軍の侵攻が現実味を持って想定されていた時代だったからだろう
ゴジラは今度はソ連軍の侵攻になぞらえられているのだ
その具体的な恐怖が無意識に反映しているように思えてならない
月岡が無線で伝えるゴジラ発見位置はなんとオホーツク海の中央だ
完全な領空侵犯だし、神子島は千島列島のいづれかの島になってしまう
もしかしたら北方領土なのかもしれない
ドラマパートは後の社長シリーズぽい味わいがあるがゴジラという脅威になぜに民間会社が舞台になるのか
シリーズ化のためのライト化の為にはやむを得ない
高いハードルは下げなきゃ次が飛べないのだ
リマスター版があれば…
白黒映画の醍醐味であるすっきりとした映像などほとんどなく、デジタル映像になれきった現在では、非常に見づらいし、音も悪い。
見どころはゴジラ対アンギラスなんだけど、勝負の行方があっけなかった!
ゴジラメインではなく、人間世界に怪獣が登場する設定になじめなかった。
意外とスリムなゴジラさん
そもそもなんでゴジラとアンギラスは戦っているのでしょう?別に補食するわけでもないし。最後はこんがり焼いてましたが、食べずにそのまま放置でしたし。不思議だ。
そんなこんななゴジラ第二作目です。いやー、白黒ですし昭和な雰囲気で観てて面白かったです。魚群探すの飛行機から目視だったんだ!とか宴会のシーンとかあのレトロ感が良かったです。当時って大阪でもあまり高い建物なかったんですね。今と全然違うんで時代を感じます。というゴジラとあまり関係ない所が楽しかったです。
しかし、アンギラスの中の人は四つん這いで大変だったろうな。良く見るとアンギラスって後ろ足が長くってけっこう人の形なんですよね。怪獣同士のバトルが最後に来るかと思いきや、アンギラス中盤で殺られちゃったのにビックリでした。
こういう古い映画ってなんだか味がありますね。当時作ってた人は現場大変でも色んなアイデア出しあって楽しかったんだろうなっと想いを馳せながら見てました。
野性味溢れる二大怪獣の闘争!
ゴジラシリーズ第2作。
Blu-rayで久しぶりの鑑賞。
原作(香山滋「ゴジラ―大阪篇」)は既読です。
劇中に山根博士が登場し、ゴジラの被害状況の検証と云う形で前作の映像が使用されました。昭和シリーズで前作のキャラクターが続投するのは、本作だけです。
と云うわけで、正真正銘第1作の直接的な続編となっているのです。以降の昭和シリーズでは前後の作品の繋がりが曖昧なものが多いので、珍しいパターンでございます(例外は「ゴジラ対メカゴジラ」と「メカゴジラの逆襲」)。
前作のラスト、山根博士の言葉―「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」―が現実となってしまいました…。
しかも今度はゴジラだけでなく、同じく水爆実験の影響で安住の地を追い出された暴龍アンギラスまでも出現。
二頭は岩戸島で目撃された後、防衛隊の決死の誘導や灯火管制の甲斐無く、大阪に上陸。街を炎と瓦礫の海に変えながら死闘を繰り広げました。つまり、シリーズ2作目にして―それがメインと云うわけではありませんでしたが―早くも怪獣対決が描かれた、と云うのが特筆すべき点。
二足歩行のゴジラに対して、四足歩行のアンギラスと云う対照的な怪獣同士が戦いましたが、執拗に喉笛を狙うなど、まさに野生動物同士の殺し合いと云う感じでした。しかも動きがとてもスピーディー…。それもそのはず。撮影中にカメラの撮影スピードが設定ミスで倍速になっていたことから出来上がったと云う偶然の産物でした。スタッフがミスに気づき、円谷英二特技監督に報告すると「おもしろそうじゃない。そのままでいこう」と…。まさに大英断! “特撮の神様”はやはり素晴らしいセンスをお持ちですなぁ…(笑)
闘争のハイライト、大阪城を崩しながらのバトルシーンが秀逸の極みでした。精巧につくられた大阪城のミニチュアがまず目を引きました…。戦いの衝撃で徐々にひびが入っていくと云う細かい演出が光る中、ゴジラがアンギラスを大阪城もろとも押し倒すことで崩壊する様は圧巻! 舌を巻きました。
アンギラスとの激闘を征したゴジラは北海道で漁船を襲撃した後、氷に包まれた神子島に上陸しました。人類はあるきっかけからゴジラを氷の中に埋めて動きを封じる作戦を思いつき、神子島の山頂にロケット弾を撃ち込むことで雪崩を発生させ、ゴジラを生き埋めにすることに成功しました。本物の氷を使ったゴジラ生き埋め作戦は、雪山スレスレを通過しながらロケット弾を撃ち込まなければならないと云うスリルがあって、怒涛の迫力が画面から迫って来ました。
――
ドラマ部分は、アダルトな雰囲気が漂っていて、まだまだ子供向けの作品ではないなと感じました。ダンスホールが出て来たり、ゴジラ出現のどさくさに紛れて脱走する囚人たちが登場したり、主人公とヒロインの恋愛模様が描かれたりと、後々のゴジラ映画では観られなくなる描写ばかりでした。
しかしなんと云っても、本作を名作たらしめる要因の一役を担っているのは千秋実の名演、これに尽きるでしょう! 黒澤明監督作品の常連であり、「ゴジラ対メガロ」などに出演している佐々木勝彦のお父さんでもあります。性格が良く、誰からも好かれるセスナ機のパイロット・小林を演じていました。
律儀で使命感のある小林が辿った運命は、涙無しに観ることが出来ませんでした。上記の生き埋め作戦は、小林の乗る飛行機がゴジラによって撃墜され、氷山にぶつかったことがきっかけとなったのでした…。まさに人類は小林の勇気に救われたといっても過言ではありませんなぁ…。千秋実にとっては唯一の特撮映画への出演ですが、本作だけで特撮ファンやゴジラ・ファンにとてつもない印象を残しているのではないでしょうか? いくらゴジラ映画とは云え、ドラマを彩る役者陣がちゃんとしていないといけないということの教訓ですなぁ…(笑)
【余談】
ゴジラのスーツの出来は急ごしらえの感が否めませんでしたが、ドラマと云い特撮と云い、時間が無かった割には高水準に達しているのではないかなと改めて思いました。
※鑑賞記録
2019/11/04:Blu-ray
2020/09/15:Amazonプライム・ビデオ
2021/06/27:Blu-ray
第一作と比べてはいけない
ゴジラ自体はシャープな体つきで綺麗な感じ。
アンギラスは刺身のツマか、粘りはするもののゴジラに及ばずフェードアウトするのは勿体無い。
内容は薄くどこが良いとは言えないが、これ以降の東宝の方向性が決まった作品と言える。
アンギラス可愛い。
ゴジラシリーズ第2作目の作品。
第1作目は「反戦・反核」というテーマがあり、
社会風刺的な作品になっており、非常に見応えがあったが、
今回の作品には社会的なテーマ感じられなかった。
今回、大阪を舞台にアンギラスという新たな怪獣が登場するが、中盤でゴジラに燃やされこれといった盛り上がりもなく退場。
ただ、アンギラスの佇まいが可愛すぎる。
暴れるゴジラに必死の四つん這いで首元に噛みつくシーンはかなりの萌えポイント。
その後、舞台は北海道へ。
またまたゴジラが登場するのだが、どうやって殺すのか注目していたらまさかの生き埋めEND。
前作と今作の原作を担当した香山滋が2度もゴジラを殺すのは可哀想だと思い、生き埋めENDに至ったようだが、消化不良に終わった印象。
白黒東宝
まだ、1作目の雰囲気を残しており、怪獣映画の感じではないですが、アンギラスとの闘いが
今後の布石なのか。志村喬、千秋実と当時、黒澤映画のレギュラーが出てるので
ザ東宝、1950年代の匂いがします。
続編の急造作なれど
前作が「戦争を引き摺った戦後」が裏テーマだとしたら、本作は「戦争を生きた世代の復興(高度成長の発端)」ではないか。
戦後最盛期となった沿岸漁業会社が物語の中盤まで舞台であり、魚影捕捉に航空機を投入して、物的・質的に途上段階ながら、機械で全て賄う以前の「人の力」が如何に重要かを垣間見る事が出来る。
その後のシリーズでも一切登場しない、「会社の華やかな宴会」が登場するのも高度成長期だなぁと思わせるシーン。
主人公は飛行士・月岡(小泉博)、同じく小林(千秋実)と、月岡の恋人であり・社長令嬢で・無線係の秀美(若山セツ子)が本作を引っ張る面々だが、小林が何かとツキがない。
冒頭で不時着したかと思えば、ゴジラ対アンギラスの戦いに巻き込まれたり、大阪本社壊滅で北海道支社に飛ばされたり、挙げ句の果てには神子島に上陸したゴジラの白熱光(放射熱線)を浴びて操縦していた飛行機ごと墜落死…それに伴い発生した雪崩がヒントになって、雪崩を連続的に引き起こしてゴジラ生き埋める作戦が実行されるワケだが。
とすれば、命を犠牲にしてゴジラ退治すると言う点では前作の芹沢博士と小林は同等か…脚本も同じ香山滋だし。
生き埋め作戦を実施する防衛隊が終盤のストーリーを転がすワケだが、月岡自身が戦中所属していた航空隊の面々(直属の隊長・同僚)に小林の仲介で10年ぶりに月岡が対面するまでは良いが、
その後、月岡と小林が本職そっちのけでゴジラ探索・監視したり、月岡が昔の誼で爆撃機操縦して小林の敵討ちまでするのは少しぶっ飛び過ぎの様な気がする。
まぁ、監視・爆撃に加わらないと主人公の必要性がなくなるから仕方ないか。
前作の主要登場人物で山根博士が本作でも対策会議のシーンの場だけに登場するがオープニングレジットは主要キャスト3名に並んでトップ。
序列の問題があるにせよ出演シーンの数から考えてトメで「特別出演」で良かったのでは?
スタッフでは本編監督 本多猪四郎・音楽 伊福部昭に代わって小田基義と若き日の佐藤勝が登板。
円谷英二に「特技監督」の称号が付いてタイトルクレジットも監督の1つ手前(これが50年間続く東宝映画の定番になるのだが)。
今回は相手怪獣としてアンギラスも登場するが、初っ端からゴジラと対決した状態で登場し、大阪では噛み付き合い合戦。
フィルムの早回しで対決するシーンが多いが、獰猛さと言う点で正解だと思うし、後の怪獣プロレスに比べれば、噛み付き合いは肉食生物的には納得の展開。
ゴジラが前作よりシャープな造形になっているし、模型やギミックにある程度、顔に統一感を持たせたのは評価したい。
アンギラスも怪獣総進撃以降の穏やかな顔つきじゃなく肉食獣そのもの。
制作の田中友幸プロデューサーをして「時間がなかった」と言わせた無理矢理突貫製作作品だが、シリーズ化された映画の第2作は大体、
大ヒット⇒急遽、続編製作
だから、月岡の爆撃機操縦以外はまぁまぁ良い出来。
前作の様な暗い根詰めた理屈っぽい話ではなく、どちらかと言えば人情話と言ったところか。
ともあれ、東宝は特撮映画は儲かると判断し、いち早くカラー化やシネスコ化を進め、次作までの間に大量の特撮映画が製作される運びに
全22件中、1~20件目を表示