香華のレビュー・感想・評価

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香華

劇場公開日 1964年5月24日
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鎌倉市川喜多映画記念館特別上映もたまに覗いて見ると名画に出会えますね!

昨日ひょんな偶然で全く予期せずに、50年程前に制作された有吉佐和子原作の「香華」を
観た。

今年の3月に終了したフジの長寿番組「笑っていいとも」に、この有吉が出演した当時、TVジャックをしたと大きな話題をさらい、その後直ぐに53歳の若さで彼女は急死した、

私の中では有吉佐和子と言う作家は、もう既に30年も前に亡くなられた作家であり、どちらかと言えば、明治から昭和の時代を生きた女性像をテーマとして選んでいる印象が強い。数々のベストセラーを執筆したが、どれも古典文学のイメージが強く、彼女の原作である作品は、多数映画化されているにも拘わらず、それらの作品を観る機会を持つ事はこれまでは殆んど無かった。

そして木下恵介監督作品であるこの「香華」も既に公開から半世紀も経っている作品だ。
出演俳優で他界されている方も多いし、存命の俳優の方々も、当時は若い俳優でも今はベテラン俳優で、中々顔が一致しない点が多い部分、その事が逆にとても新鮮な目で作品を観る事が出来て、また違ったイメージでこの作品を楽しむ事が出来た。

明治生まれの母親が若くして未亡人となった事から、当時の片田舎の日本では珍しく再婚に次ぐ再婚を繰り返そうとする母の自由奔放に生きようとする彼女の人生に振り回されながらも、何としても親孝行を続けなければと、直向きに生きようとする古風な娘との女同士の親子の葛藤をコミカルに描いた作品で、観ていて笑いが絶えなかった。

アメリカを代表する女性作家の大作「風と共に去りぬ」もヒロインの自由奔放な生き様と彼女を支えるメラニーとの間で起きる物語は、見方によってはある種喜劇的な部分を含む事から、笑える部分も沢山あった。
同様に、本作「香華」は3時間を越える超大河ドラマのような作品で、休憩を挟んだ前後篇の作品だが、全く飽きずに、テンポの良い作品に仕上がっていた。
しかも、その現実的にはこんな身勝手極まりない母親を実際持っていたならば、絶対絶縁していたに違いないのだが、この母を乙羽信子が、実にコミカルに憎めない、可愛らしい女性として好演している点も実に素敵だ。
そしてまるで、親子逆転した様な、責任感も強く孝行娘の朋子を岡田茉莉子が熱演していた点もこの映画の更に良い点だ。この2人の女優のこの掛け合い、2人の間が何とも絶妙で観ていて実に面白い時間だった。ともすれば湿っぽくなるような題材である、この原作を楽しく飽きる事無く魅せてくれる木下監督の力と言うものも凄い。改めて名監督だったのだなと今にして思う。やはり邦画の黄金期である当時は小津監督ばかりでなく、数多くの立派な映画人が多数活躍していた時代なのだと、今更ながら思い知らされた!

Ryuu topiann(リュウとぴあん)
Ryuu topiann(リュウとぴあん)さん / 2014年6月8日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  笑える 悲しい 楽しい
  • 鑑賞方法:映画館
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