劇場公開日 1975年9月6日

「見事に全員真っ黒」金環蝕 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見事に全員真っ黒

2014年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

総合80点 ( ストーリー:85点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:65点|音楽:50点 )

 九頭竜川ダム汚職事件という実際に起きた話を基に作られた作品で、そのため登場人物は実在の政治家等を当てはめている。

 冒頭、政治家秘書が金を借りに来たというだけのちょっとしたきっかけから何かがあるとかぎつける金貸しの動きからしてきな臭い。これに政治家と公企業と建設業が公共事業に関する大きな利権を求めて行われる陰謀と、それに群がる金貸しと記者たちがいて、みんながみんな自分のために暗躍する。そこには倫理観も正義もなくて、どんな手を使ってでも国を食い物にしようと餓鬼のごとく横腹に喰らいつき競合を蹴落とし都合の悪いことは惚けたり排除したり。登場人物がみんな真っ黒で、そのような人々が蠢く姿の描き方が潔い。多分現実も似たり寄ったりなんだろうなと思うし、それを差し置いていても社会派作品として良く出来た物語だった。

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Cape God