劇場公開日 1963年4月10日

「名喜劇・名脇役・名監督」喜劇 とんかつ一代 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)

3.0名喜劇・名脇役・名監督

2015年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

森繁久彌、フランキー堺による「喜劇~」シリーズの一編を川島雄三が監督した一本。
この作品では名脇役・加東大介の頑固親父ぶりが光る。
上野・精養軒がモデルであることが明らかなホテルのレストランのコック長である加東と、その息子であるフランキー堺の親子関係にはどこか最後までよそよそしい空気が流れている。むしろ義理の叔父である森繁との掛け合いのほうには、憎まれ口にすら温かみが感じられるのは一作目の「駅前旅館」と同じ。
シリーズを引っ張る森繁・フランキー堺の強力タッグを向こうに回して、加東、山茶花究らの脇役陣の存在感が負けていない。
狭いとんかつ屋をカメラが自在に動く。下町の得意な川島監督さすがの演出。

佐分 利信