「人情は紙風船の如き軽いものにあらず。」男はつらいよ 寅次郎紙風船 syu32さんの映画レビュー(感想・評価)
人情は紙風船の如き軽いものにあらず。
クリックして本文を読む
「男はつらいよ」シリーズ第28作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
旅先で出会った家出少女・愛子。
寅さんの仲間の妻で未亡人となった光枝。
…久し振りのダブルマドンナでした。
愛子にも光枝にも優しく寄り添う寅さん。愛子に対しては保護者のような立場でしたが、光枝とは死んだ夫とした約束事もあってついに所帯を持とうと決意しました。
双方共に抱えている事情があり、「何とかしてやりたい」という寅さんやとらやの面々の人情の厚さには、人間の美しい部分が籠められているなと思いました。
光枝も寅さんに惹かれている様子でしたが、いつもの癖が発動し、所帯を持つには至りませんでした…。一念発起して受けた就職試験にも落ち、再び旅の空となったのでした…。
旅の道中で愛子の故郷に立ち寄り、マグロの遠洋漁業に旅立つ彼女の兄を共に見送った寅さん。兄妹の姿に己の想いを重ねたのかとても温かみのある場面で、救われた気がしました。
コメントする