劇場公開日 1982年12月18日

「山田風太郎×角川の術」伊賀忍法帖 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5山田風太郎×角川の術

2019年4月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

単純

興奮

山田風太郎の伝奇時代劇小説を映画化した1982年の角川映画。

主君の妻を我が物にしようと企む武将。
入れ知恵し、力を貸す妖術使いたち。
その邪な目的の為に愛する女を殺された伊賀忍者の若者。
忍術と妖術の闘いが繰り広げられる…!

特撮を駆使した見せ場やアクションは見もの。
実寸大の東大寺と大仏のセット、それが焼け落ちるシーンは圧巻。
真田広之のカッコ良さ。
本作でデビュー、一人三役の渡辺典子の魅力。
佐藤蛾次郎、福本清三ら妖術使いのキャスティングが個人的にツボ。
ちょいちょいのエロやグロ、チープでツッコミ所も多々だが、角川娯楽ムービーである。

だけど残念ながら、ストーリーが…。
邪な野望、愛の為の闘い、忍術妖術バトルなど娯楽要素たっぷり織り込められてるように見えて、はっきり言って、散漫し纏まりに欠け、破綻している。
ストーリーだけ追ったら、イマイチ…と言うか、非常に面白くないだろう。
ここら辺、もっと巧く出来なかったものか。
演出もケレン味足らず、監督の個性に欠ける。

現代技術を駆使してリメイクするのも一考。
でもそれで、2003年版『魔界転生』や『SHINOBI』みたいになったら洒落にならないか。
この時代のこの作風の味。

近大