劇場公開日 2009年10月10日

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「“負の連鎖”を映像から魅せつける作品!」狼の死刑宣告 とるさき ともたさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5“負の連鎖”を映像から魅せつける作品!

2009年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

'70年代のB級テイストが漂う作風ながら、手堅い演出力と俳優陣の的確で巧妙な熱演が作品を印象深くし、
意外な程、“復讐”と“暴力”が招く無情感と「負の連鎖」を画面に焼きつけている。

映画的な見せ方が多く、中でも主人公〈ニック〉が街で「追走」されるシーンが素晴らしい限り。
緊張と切迫感が実に良く出ている1カットシーンは中々のモノ。

何と言っても主人公〈ニック/ケビン・ベーコン〉の熱演による存在感が素晴らしい限り。
ごく平凡な男が、突然理不尽に愛する家族を奪われ、
失意と悲しみから変貌する様を見事に演じている…巧い!!

銃器と破壊描写からくる音響演出も中々良い。

邦画で“似た題材”の作品が同時期に公開されていたが、作品的には断然こちらが勝る!

報復が生む暴力と破壊の「負の連鎖」を痛烈に描いた作品。

とるさき ともた