劇場公開日 2007年11月10日

「ジェイソン・ボーンの本名は…?」ボーン・アルティメイタム bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジェイソン・ボーンの本名は…?

2023年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

難しい

マット・デイモン主演のサスペンス・アクション『ジェイソン・ボーン・シリーズ』3部作の完結編。これまでの2作で、おぼろげながら明らからなってきたボーンの記憶と共に、暗殺者ボーンの誕生秘話が明らかになっていく。そこには、CIAトップによって隠蔽されてきたプロジェクトが存在していた。

また、本作の内容が、なかなかオシャレ。前作のラストシーンに繋がるまでの経過を、ロシアから脱出するところから始まり、モロッコ、ロンドンを経て、クライマックスのニューヨークでのラストシーンへと繋がっており、2作目を手掛けたポール・グリーングラス監督が引き続いてメガホンを撮ったこその演出と言える。

まだ完全には記憶が戻らない中、1作目からのキーワードとなっていた『トレッド・ストーン計画』の記事を書いた記者に接触したボーン。そこからまた、新たなる『ブラック・ブライアー』のプロジェクトが進行したていることを知る。それらの計画の真意とボーン自身の記憶を取り戻すために、CIAを敵に回してる孤軍奮闘していくストーリー。

今回もVFXに頼らず、生のスピーディーなアクションに魅了された。モロッコでは、狭い路地でのオートバイでのチェイスと屋根を伝っての逃走劇。そして最後は、ニューヨークのど真ん中で、多くの車を巻き込んでのカーチェイスと見所は満載。3作品、全てに言えるのは、1シーン1シーンに無駄がなく、次から次へと迫る危機にボーンが強靭な肉体と判断力で乗り切っていく爽快感にある。

これだけのスパイ・アクションとなると、普通なら、テロ組織やシンジケートの様な悪役が存在し、それらを片付ける為の展開が多い中、3部作に渡る大ぶろしきを広げた大作であるが、結局のところはCIA内部のゴタゴタ劇というのが、逆にリアリティーもあり、1分1秒を争う緊迫感や臨場感が『ボーン・シリーズ』の面白さとなっているのだろう。

bunmei21