ミッドナイト・エクスプレスのレビュー・感想・評価
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悪い事はしてはいけない
カメラワークも、演技も良く、かってのモノクロ映画を思わせる光や影の濃淡を効果的に表したライティングも秀逸だが、
ご法度のハシシを身体に巻き付けての出国はいけませんよ!生真面目な当方故、最後まで捕まった理由が気になりそれが不調和音として本作の鑑賞中底流に流れて何とも味の悪い映画だった。あの量のハシシは「若気の至り」ではすみません。
彼女の胸を見て自慰するシーン、人によっては感動モノらしいが、そんなわけで感動しませんでした。
この方は残念ながら冤罪とは言えない。
二回目の鑑賞。
音楽がエンニオ・モリコーネと思っていたら違っていた。
この頃は『パピヨン』の影響だと思うが、こう言ったストーリーが流行した。この犯罪は、冷静に考えれば仕方ない話。余り言い過ぎると相手の国に対する内政干渉になると思う。
例えば、
『豚が沢山いる国で何故豚を食わない?』って、絶対に言っては駄目だと思うし、其の後に続ける言葉は宗教的な範疇を超えた差別に繋がると大いに感じる。自身の人権が侵されているから、それを訴えているのだろうが、イデオロギーが相手の人権までヘイトしてしまっている。もはや、そのイデオロギーは『砂上の楼閣』でしかない。
『パピヨン』とか『ショーシャンクの空に』とは全く違うイデオロギーだと感じる。生きるための狡猾さが微塵もない。
短絡的な思考で、脱走なんてありえない事を実行してしまう。
ガキの頃見て、全く感動しなかった。そして、同じものを今見て、怒りすら覚える。自分の人生のベクトルに自信が持てた。
追記
『小さな恋のメロディ』に対する影響はない。彼は寧ろファンタジーの様な話を書くべきだと感じる。実在のかなり際どい人生を脚色出来る才能はない。だから、この犯罪の真実は別にあると断言できる。全てファンタジーなのだ。この映画の脚本家を見れば理解できる。偽善的なスタンドプレイヤーがいた。
若気の至りから地獄
ハシシ2キロを体に巻きつけ、汗だくになりながらの出国シーン(出来なかったけど)から、刑務所を出るまで、息がつけない展開で面白かった。
最初は軽い気持ちというか若気の至りのような気持ちでやっちまった感。
すぐにでも出られると思っていたビリー。
しかし刑務所では地獄が待っていた。
あと53日というところで、トルコ当局のクリーンなイメージアップ(笑)のため、見せしめのように終身刑にされるという、タイミング、運の悪さ。
刑務所あるあるなのかもだけど、あらゆる悪行が横行している。
この作品を観た2023年2月は、トルコの大地震、フィリピンでの日本人詐欺グループ逮捕という事件、災害が起きていて、どうしても2つがチラチラと頭を過ぎる。
トルコの汚職もうっすら見え隠れ。この頃から変わってなさそう…。
古い作品だけど、スマホのない時代の脱獄シーンもスリルは変わらない。
しかし最後、たった鍵1本で出られてしまうのが呆気ないというか、それまでの地獄との対比が面白い。
アラン・パーカーの演出力が冴えわたる恐怖映画のリアリティ
脱獄映画のジャンルではあるが、これまでのものとは毛色の変わった力作である。その範疇に止まらない政治的背景のリアリティと、主人公が何の変哲もない極普通の青年であることの身近な現実感が重く圧し掛かる。監督のアラン・パーカーの第二作にして、個性の確立した演出力に目を見張るべき映画として讃えられよう。
1970年代のトルコの政治情勢を少し頭に入れて鑑賞しないと、主人公が置かれている状況は理解できない。麻薬の密輸国としての汚名を除くべく、密輸者の罪を見せしめに重くしていた法の解釈と施行。トルコとアメリカ合衆国の国際交流の不和。そして、ゲリラによる爆弾テロが影響する国の孤立化。そんな時勢に無関心な主人公ビリー・ヘイズは、2キロのハシシを躰に巻き付け母国アメリカに運び出そうとする。彼が飛行場で官憲に逮捕されるところが面白い。ビリーが隠しているものが爆弾とみてピストルを向け身構えた彼らが、麻薬と知って安堵の笑い声を上げる。しかし、物語は想像を超えた理不尽で不条理な世界へと進展していく。
ビリーは自分が犯した罪を大したものとは考えていない。そのギャップに理性を保てず、さも大罪のように扱われるところがショッキングである。そのリアルな表現は、パーカーの演出で端的に描かれている。カメラアングルの単一的な凝視力が、ここでは生々しい効果を生んでいるといって良い。カメラワークも含め絵的に味わい深いものではないが、メッセージが明確な表現力で押し通している。また、脱出のスリルを狙った娯楽映画の面白さともかけ離れている。裁判が政局に左右されて、ビリーに刑期30年の判決が下されるところが、恐怖映画のように感じられるのもこの映画の特徴を示す。
刑務所にいる囚人のキャラクターも其々リアリティがあり丁寧な演出だ。強靭な体格をした看守長の暴力行為は少し過剰表現と見たが、主人公の視点に立った恐怖映画とみれば納得のいく演出であるだろう。また、ビリーの父親と恋人の登場で、アメリカ人の生活感を上手く出している。特に恋人スーザンとの精神病棟での再会場面は強烈な印象を残す。今まで観たことない表現が成されていた。囚人仲間エリックとの同性愛行為も、今日のアメリカ映画の側面を如実に表している。牢獄生活の男たちのもがきが、性的に率直に描かれた真実味がある。
脱獄映画の面白さの通俗性に陥らず、また青春映画のような甘さを一切省いて、主人公が遭遇した恐怖の牢獄生活をリアリティ極めたタッチで描き通した、その意味において立派な作品であると思う。
1979年 1月27日 銀座文化2
監獄もの
主人公が不当裁判に震えながら「慈悲の心がないあんたたちは豚だ!」みたいなことを訴えていたのが心に響いた。
許す心が無ければあの映画に出てくる暴力をふるう悪人になってしまうのでないかと考えさせられた。
トルコ人を悪人のように描いている(いいトルコ人も描いてほしかった)のは問題があるなと感じたけれど、辛い状況でも諦めない、そんなメッセージが伝わってくる作品だった
ジャニス・ジョプリンが昨日死んだ
折りしもハイジャック事件が多発していた。映像からもエキゾチックな雰囲気と同居する闇の世界が広がっている。麻薬を板チョコ大にアルミに包み、腹に巻く。税関の言葉もわからず、心臓の鼓動がドクドクと伝わってくる中、恋人スーザンの「ジャニス・ジョプリンが昨日死んだ」という日常の会話。折りしもハイジャックのニュースもあって厳重体制なので彼は爆弾犯と間違われた。
収容所ではいきなりの拷問。気絶していたところをジミーとエリックが介抱してくれる。弁護士について教えてもらっても「脱獄(ミッドナイト・エクスプレス)するのが一番」だと聞かされる。脱走計画を立てたジミーは捕まり殴られ睾丸を無くした・・・ぞっとする話ばかりだ。
模範囚として過ごし残り53日となったとき、裁判のやり直しの話を聞かされる。そして裁判は簡単に30年の刑を科す。決意が固まった瞬間でもあった。早速仲間と水路へ抜ける地下を掘り脱走を企てる。
5年経ってスーザンが面会にきたとき、窓越しで彼女の胸を見ながら自慰行為に耽る姿に涙が出そうになった。アメリカとトルコの外交の見せしめ、犠牲となったビリー。理不尽なことだらけだし、同室のトルコ人の囚人には裏切られるし、暴れたため精神病棟に入れられるし・・・
最終的には所長が誤って死んでしまい、所長の制服を拝借してギリシアまで逃げることができたビリー。アメリカとトルコがこの映画がカンヌで公開されたことによって、囚人交換協定を結んだ実話だなんて、ちょっとした勇気がなかったらなし得なかったこと。なにもハシシを不法所持しなければいいとは限らない。無実の罪だって投獄される恐れなんて世界中どこにだってあるんだと言わんばかりのドキュメンタリータッチが重くのしかかってくる。それにしても、映画の力もすごいものだ。
実話でトルコの劣悪な刑務所は怖い。しかし、元々は薬物を密輸しようと...
実話でトルコの劣悪な刑務所は怖い。しかし、元々は薬物を密輸しようとしていたり、ゲイ?だったり、自業自得で共感できない。長い。疲れる。
自分にとって特別な作品
自分の映画好きを決定付けた、非常に思い入れのある作品。中学生の時にひとりで、いわゆる名画座へ観に行った。その時の衝撃は今でも鮮明で、呆然とエンドロールを眺めたのを覚えている。
と、いう訳で自分に一番大きな影響を与えた映画としてMy No.1以上の特別な存在。
映画として面白かった。脚色部分メモ。
脚色賞と作曲賞の2冠とのこと。
ネットで作品中で描かれた出来事が実際あったことなのか書かれている記事を見たが、ご本人はリフキの舌を噛み切っていないし、看守長も殺してないらしい。
よかったー。
まあ、これらの脚色は、「結局悪人になっちゃったじゃん」感をうっすらあたえつつも、当時の理不尽さを描きラストの感慨を増す効果をちゃんと発揮。脚本・演出・演技の勝ち。
でも、実際のヘイズさんは違って本当によかったー。
ヘイズさんが2国間の外交の被害者であったことは事実だけど、そもそもアカンものを運ぶなど、そういう事をやる人がいるから重罪を課して浄化しよう、ってなるのもわかる。
興味本位で罪を犯すのは、旅先の国を汚すことにもなるので、やめましょ。
まるで拉致監禁
自国の刑務所ですら入りたく無いのに異国のしかも社会的にも整っていないデタラメな感じの情勢で。
自業自得といえどもまるで冤罪にでもかけられてしまった被害者に見えてしまう。
胸だけじゃあ....全裸を悲願したくなる気持ちになりあの場面は遣る瀬無い!?
単なる脱獄ものに非ず
アラン・パーカー監督は『ミシシッピ・バーニング』にいたく感心してしまいまして、それなら代表作をということで、こちらを鑑賞してみました。
脱獄ものっていうと、ジョン・スタージェス監督の『大脱走』とか、ジャック・ベッケル監督の『穴』とか、ドン・シーゲル監督の『アルカトラズからの脱出』なんてのを思い起こしますが、印象としては、この作品、そのどれとも違う感じでしたね。なんというか、これらの作品の活劇的な感じではないというかね。
っていうか、本作の主題を「脱獄もの」とすること自体、違うのかなぁなんて感じましたですね。むしろ「不条理もの」。人間が不条理に巻き込まれた時の有り様を描きつくしたのが本作という感じがしましたですね。
いやぁ、ジョン・ハートが途中見せるその横顔の、なんという神々しさか、と。不条理を前にした人間の顛末を神々しいなんてのもおかしなわけですけど、でもまぁ、それがなんとも恐ろしいわけなんですよ、ほんと。
実話ネタアカデミー賞受賞作品。トルコ刑務所
猫殺される怒
1時間でシャワールームでゲイキス
あと53日でお盆ひっくり返されたらきつい
懲役三十年
さすがに我慢できず深夜特急実行に
プリズンブレイクの原点がここにあった
リフキにキレる。 食いちぎった
彼女来た。ちょっと可愛くなった気がする
脱いでくれいう。おぱいみて泣きながらじい
ギリシャまで行けば
やばい所長もホモだった
どうやって出る?
そんな変装、人種違うのにアリ?
心臓の鼓動
物凄いラッキー
車でビビる
75年10月脱出
モノクロ写真はええけどマックスは??
面白かった
初めて見た外国映画の一本で、当時は外国で刑務所に入れられるとこれほど恐ろしい目に合うのかと心底怖かった。
今回改めて見てもやっぱり怖かった。主人公が超肝っ玉の小さい男として冒頭で描かれているところがよかった。トイレで顔を洗ってびちょびちょでグラサンを掛けていたら疑われるに決まっているし、せっかい協力したら許してくれそうなムードだったのに逃げたらダメに決まっている。しかし、そうしてしまう気持ちもとてもよく分かる。
そんな男が刑務所で悲惨な目にあい、ビビりながらもちょっとずつ一人前の男になっていく話でもあった。
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