ベルリン・天使の詩のレビュー・感想・評価
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〝壁〟の意味するものは今のほうが切実かもしれません
人間っていうのも、そう捨てたもんじゃないかもな。
生きている誰もが、色々とそれぞれの訳があって、面倒くさいことのほうが多そうだけど、ほんの少しでも、誰かのことを思うことが出来れば、なんだか生まれてきて良かったと思える。
そう語りかけてくれてるような気がする優しい作品でした。
地上に降りた天使達の讃歌
主人公の恋する踊り子さんのセリフに生きることへの讃歌が凝縮されている。
「悲しみたい。それが自分を感じることだから。」
生きていると喜びや楽しみばかりではない。苦しいことや悲しいことにも一杯出会う。でもそれらの感情も生きているからこそ出会うことなのだと思えば、全ての人や体験が愛おしくなる。そんな前向きなメッセージがこの大人向けのメルヘンから伝わってくる。
主人公のオジサマ2人もかなりのイケオジながら、ライブハウスシーンの若者達も全員美形で驚いた♡
あと20年後にもう一度観て、しんみりしたい作品
正直、観た直後は何もわからなかったし、
何も感じなかった。
演出よりも詩的なセリフで物語る映画。
印象的なのは、電車のシーン。
ただ、この後ほんとうにベルリンの壁が壊されて、
まさに歴史に残る映画になった。この事実が素晴らしい。
ひとりひとりの心に響くような、気持ちを変えるような、
行動を起こさせるような映画だったのかもしれない。
何年か後、もっと人生経験した後に、
ファンタジーとしてではないこの映画を
しんみりみたいと思う。
【ベルリンの守護天使ダミエルの、”堕天使”を覚悟しての純粋な人間の女性との恋物語を、モノクロームとカラーを絶妙に絡ませて描き出したヴィム・ヴェンダース監督の数ある傑作の逸品である作品。】
ー ベルリンの守護天使、ダミエル(ブルーノ・ガンツ)と親友の謹厳真摯なカミエル(名優と言われたドイツ俳優オットー・ザンダー)。
彼らは、ベルリンで暮らす人々の姿を廃墟の上から見守っている・・。ー
・今作は、彼ら二人の天使と下界の人々との交流(主に、ダミエルからの視点で)、モノクロームを主としながらも、時にカラー映像を絶妙に絡ませて描き出した作品である。
・守護天使ダミエルが恋したサーカスの空中ブランコ乗りの美女マリオンをソルヴェイグ・ドマルタン:今作が映画初出演、が魅力的に演じている。
・更に印象的だったのは、ダミエルとカミエルに手を差し伸べる、元天使で現在は映画スターの”ピーター・フォーク”を演じるピーター・フォークの姿。
彼は、今や人間なので二人の姿は見えないのだが、気配を察し特にダニエルに話しかける・・。
”人間になりなよ・・・”と。
・人間に恋してしまったら、天使は”死ぬ”のに、ダニエルは空中ブランコ乗りの美女マリオンに魅入られ、重い決断をする・・・。
・目覚めたダニエルが目にしたベルリンの風景は、見慣れてはいたが、それはそれは色鮮やかで・・。
珈琲の味と香りも素晴らしく感じる中、ベルリンの市中で、マリオンを探すダニエルの姿。
<”NICK CAVE&THE BAD SEEDS”の”FROM HER TO ETERNITY”が流れるコンサートで、漸く巡り合ったダニエルとマリオン・・。
学生時代に、人間の恋って矢張り、素晴らしいなあ・・、と思って観入った作品。
貧乏学生だったが、当時あった名画座で2度観た記憶がある。その後、何度も別媒体で鑑賞した作品である。>
<1988年4月 劇場にて鑑賞>
タイトルなし
モノクロのベルリンの街
見降ろす天使ダミエルには
人の心の声が聞こえてくる
そんな天使が人間に恋をした
.
ベルリンの壁崩壊前のヴェンダース作品
独特な世界観は美しく
どこまでも詩的でした
ピーターフォークが俳優(コロンボ刑事)役として出ていたのもよかった👼
.
to be continued…
続編「時の翼にのって / Faraway, So Close! 」
も観てみたい
ピーター・フォーク
後半になると意味がわかるのですが、モノクローム映像の中に時折見せるカラー映像がドキリとさせられます。白黒の陰影が心の奥にある表と裏を物悲しく見せるが、一瞬ノスタルジックな雰囲気にさせる。人類の誕生の時代から天上から下界を見下ろしてきた天使。何も変わっていないのはローマ街道だけなんだ。まるで戦禍にあったロケ地によって、反戦や東西ドイツの諍いにも問題提起しているように見える。
ピーター・フォークというサプライジング・キャストで笑いを誘うが、彼の俳優としての悩みが『刑事コロンボ』を通して語られる。そして彼の正体が明らかになるプロットが面白い。白黒のシーンは自殺を止められなかったりして、全体的に暗く重い雰囲気なのだが、カラーになった途端に笑えるエピソードを持ってきて人間らしさを表現しているところも秀逸。色々な撮影賞を総なめにしたアンリ・アルカンもすごいが、天使の目線と人間の目線を交互に映したりする監督の腕なのであろう。
ラストはハッピーエンド。続く・・・となっていて、がくっときたが、かつての天使、特に安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐというところで、ぐっときた。
ベル天
このような詩的な映画が社会現象になったバブル期、まるで踏み絵の如く流通したのは、この映画にとって不幸なことかもしれない。私自身は当時何度と試したが、いずれも爆睡。今回改めて見てビックリ、コロンボが出てる!って、そこまで持たなかったのか。とはいえ、今回もやはり眠い。終盤になるまで展開が少なく、詩が断片的に続く。図書館の無駄のない美しいデザインやニックケーブの音楽に引きつけられる。終盤の堕天使展開には目が醒める。
詩を解釈しないと読み解くことができない為、何度か見返しながら観ないといけない。読み返していくと退屈だったシーンに無駄がないことがわかる。しかし、未だに国語の試験のように扱うのは不粋。難解な映画があって良い。
ポスト全共闘世代は世代共通の世界観を共有するに至った訳ではない。しかし、知的な価値観を得ようとした世代でもあり、この難解な映画が社会現象を起こしたのも、その表れだろう。皮肉なことに、ベルリンの壁は崩壊したが、連帯は失われて平和に埋没する個の集合体が残されているのかもしれないが。
フランス語×モノクロ×静=爆睡
すんげぇ気持ちよく寝ました囁くように話すフランス語心地よいですねぇ笑。
ベルリンで天使やってるおっちゃんが人間の世界を観察してる間にサーカスの美女に惚れて周りに止められながらも?人間になろうとする的な映画(だったはず笑)
前半天使の頃はモノクロで人間たちをニンマリしながら観ているだけだった天使が後半人間になったことでカラフルになった世界でイキイキとお茶目に生きるおっちゃんになる内容。
この天使時代に人間観察する件が長くて寝た笑。
なので評価はまたいつの日にか!
ブルーノガンツのお茶目なおっさん演技笑える!
タイトル通りの内容
なるほどなるほどの作り
白黒だ?と思いきや…
セリフでなくナレーションなのも理解
詩なのだ
良いことも良くないことも
ベルリン、と聞いただけであたしの世代はなにか重い
そう思いながら見ていたけれど
なんだ恋愛のファンタジーじゃないか
天使よそばにいておくれ
poetic
天使の視界はモノクロ。耳を澄ませば人間の心の声が聞こえてくる…。ドイツ語、フランス語、英語、日本語でも分かる(^^)。彼らを見ることが出来るのは子供達だけ。
戦争による負の遺産が残るベルリンで人々を見守る天使達。見た目の違いは後ろの短いポニーテール(^^)。
万能のようでそうでもない?、安心感を与えて見守る程度か。天使の視点で描かれている前半は面白かったです。素敵な詩の朗読が続きますが、徐々に退屈になってしまいます。
人間が登場するまでは退屈な世界だった、コーヒーやタバコを味わってみたい、温度を感じてみたい、道に足跡を残してこの世に存在してみたい、先が見えないから予測してみたいという天使Damiel。美しい女性に恋して人間になることを選びます。感動の源である「感覚」って素晴らしいんだなと改めて思いました。子供が子供の頃のままなら…人間となったDamielは、姿こそおじさんでも、全てが新鮮で子供のように街をはしゃいで周ります。
元天使と美女とが新たに平和な明日を築いていく…という意味の終わり方なのでしょうか。
GanzはHitlerのイメージが強くて(^_^;)
随分すんなり恋愛成就するのは、一度夢で会っているから?
Peter Falk と小津監督が元天使とは!!
"City of Angels"の元ネタなんですね。
モノクロのベルリンの街を見降ろす天使。 人間から天使は見えないけど...
モノクロのベルリンの街を見降ろす天使。
人間から天使は見えないけど、天使には人間の心の声が聞こえる。その心の声は良いことも悪いことも詩的でちょっと難解な詩の朗読を聞いているよう。
図書館にはたくさんの天使たちがいて人間の心に寄り添い手助けをしている。図書館が不思議な空間に見える。
人間の素晴らしい面も分かっているけど、それ以上に愚かな面をたくさん見て聞いてきた天使が人間に恋をして人間になりたいって願うんだから恋の力、人間力って凄いよね。
ピーター・フォークがキーになってからの展開が素敵。そういうことだったのね。
天使=背後霊?
人々の心の声が無限に溢れ哲学のように聞こえ優しく見守る天使たち。
人間の世界に魅了されるB・ガンツの優しい表情に地上に降りてからのワクワク、ウキウキしたB・ガンツに癒される。
N・ケイヴのライブシーンも渋い。
P・フォークの役柄が素晴らしい存在感で天使にとって頼れる兄貴分。
白黒からカラーに映像が綺麗でアノ時代のベルリンの街並みも魅力的。
なるほどピーターフォークは天上からやってきたのか!コロンボは偉大な...
なるほどピーターフォークは天上からやってきたのか!コロンボは偉大なり。
さてこの映画、天使っていうか、霊、おばけだろ!ホワーイ、ジャーマニービーポー、君たちはおばけと天使の区別がないのか(笑)
冗談はさておき、前半やや冗長、名作につきものの謎ってやつですね。凡人の私には分からず、見るのやめようかと思いました。コロンボが助けてくれました。カラーになってからの展開は楽しめました。
ブランコ乗りの女性、美しい。女優?サーカスの人?ブルーノじいさんと一目で恋に落ちるのは、無理あり過ぎ。
人間って、男と女って素晴らしいってことか?
名作はやはり凡人の私には難しい。つづくって言われてもなあ。
ピーター・フォーク登場
総合30点 ( ストーリー:30点|キャスト:60点|演出:40点|ビジュアル:65点|音楽:60点 )
空から地上へと流れるように写していき、そのうち建物や人々を除き見るような撮影方法はいかにも天使の視線という印象を与える。人の社会を俯瞰し覗き見するような描き方には独特の雰囲気を醸し出す。
だけど退屈でつまらない。物語には動きが少なくて、天使が人間界に突然触れて心の動きがあったけど、それがどうしたの。質が低くてくだらなくてつまらない作品もあるが、本作品は芸術的な難解さゆえにつまらない。物語の大筋が弱くて展開が少なく、それでも独特の雰囲気で作品の高尚さを理解しろという押し付けがある。ベルイマン監督のいくつかの作品にも似ているが、自分はこの手の作品には昔からはまれない。
ピーター・フォークが登場していた。『コロンボ』以外で彼が登場する作品をもしかすると初めて観たかも。
私的、ここから始まるヴェンダース
ちょうどこの作品と出会った頃、タイミング良く(─まぁそれも映画のプロモーションとか話題性のおかげということもあったと思うけれど─)クレーの素描「天使」に感銘を受けていたわけで、“天使”というその響きに自然と誘われていったような気がします。
モノクロとカラーの対比、内面を言葉で語り尽くすという手法、まだ戦禍を知りまだ分断されていた時代の記録、そういった要素により強く心に刻み込まれた作品となりました。
後にノーベル文学賞を受賞することになるペーター・ハントケの詩的文章の数々は、相当文学的で難しいところもあるのですが、作品の設定と非常にマッチしていて、かなり効果的。難解感じてしまう欧州映画や文学の世界に少しでも近づく良き映画なのかもしれません。同じヴェンダース&ハントケのコンビからなる映画「まわり道」は、かなり忍耐を要してしまうので、この「ベルリン」がいかに巧みで絶妙な構成になっているかがよく理解できます。
サーカスとか“コロンボ”を盛り込んでいるところから、かなりエンタメ性を意識していることが窺えます。ゆえに、ここから始まるヴェンダースは、優しく分かりやすく、ごく自然に見る者の心を掴んでくれるのでしょう。
作品の中で象徴的に登場するヒロイン・マリオン。彼女の存在と、そこから展開する物語もまた作品を分かりやすくしている要素。実際に自分もマリオンにかなり魅せられました。演じるのはソルヴェーグ・ドマルタンで、なんとこれが俳優デビュー作。ヴェンダースの次作「夢の涯てまでも」では主演を務めていてかなり印象に残っているのですが、2007年45歳で早逝(ということを最近知りました・・・)、いろいろと思わされることの多い作品となったわけです。
ヴェンダースの映画をすべて見ているわけでもないし、数多く見ているとはいえ見ているすべてを理解できたり楽しめたりしているわけではありませんが、この「ベルリン」が最も分かりやすくて親しみやすいヴェンダース作品なのかなぁと思っています。
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