ぼくを葬る : 新作映画評論

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新作映画評論

ぼくを葬る ぼくを葬る 4月22日よりシャンテシネほかにてロードショー

センチメンタリズムを退け、きれいごとではない真実を描写

画像(C)2005 Fidelite - France 2 Cinema - Foz

自分の死期が近いことを知った人間のドラマといえば、そのほとんどはが主人公への同情を誘い、涙を絞るメロドラマ。しかし、この映画はちょっと違う。センチメンタリズムを嫌い、観客の安易な同情を(少なくとも最初のうちは)拒むのだ。しかし、だからこそ、主人公の「心の旅路」には、きれいごとばかりの映画では描ききれない真実が宿っている。

主人公のロマン(メルビル・プポー)は、31歳という若さで余命3カ月を宣告された、ゲイのフォトグラファー(この設定からして、オゾン監督自身を反映していることは明らか)。彼は突然の死の宣告に怒り、苛立つ。ギクシャクした関係の家族に何も打ち明けないで嫌な態度を取り、恋人をも一方的に突き放してしまう。素直に甘えられるのは、自分とよく似た祖母(ジャンヌ・モロー)ただ一人。自分勝手なやつ、とも思えるが、それは彼がシニカルで屈折した性格ゆえ。そうして自ら追い込んだ孤独の中、「生きる」ことの意味を求め、とことん自分と向き合おうとするロマン。そんな彼の姿が、だんだんと愛おしく思えてくる。監督自身とプポーの正直さが生みだすリアルな感情が、胸に響いて。

いかに死ぬかということは、いかに生きるかということ。だからこそ、自分をこの世界を受け入れて逝くロマンには、死の悲しみより生への慈しみが満ち満ちている。

若林ゆり

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ABOUT THE MOVIE

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  • ぼくを葬る
  • 31歳のカメラマン、ロマンは、ある日突然、あと3カ月の命だと宣告される。彼はこの悲劇にどう対処し、何に生の意味を見出していくのか。「まぼろし」で最愛の人の死を描いたフランソワ・オゾン監督の<死についての3部作>の第2章。主演は「ル・ディヴォース/パリに恋して」のメルヴィル・プポー。「ミュンヘン」のバレリア・ブルーニ・テデスキ、「死刑台のエレベーター」「突然炎のごとく」の大女優ジャンヌ・モローが共演。
  • 原題:
    Le Temps Qui Reste
    監督・脚本:
    フランソワ・オゾン
    撮影:
    ジャンヌ・ラポワリー
    音楽:
    フィリップ・ロンビ
    出演:
    メルビル・プポー、ジャンヌ・モロー、バレリア・ブルーニ・テデスキ
    製作国:
    2005年フランス映画
    上映時間:
    1時間21分
    配給:
    ギャガ・コミュニケーションズ
  • 4月22日よりシャンテシネほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2005 Fidelite - France 2 Cinema - Foz

ぼくを葬る

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