劇場公開日 1947年10月

「映画単体で十分に面白い名作文学映画」ジェーン・エア(1944) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画単体で十分に面白い名作文学映画

2018年11月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

嵐が丘の原作者エミリー・ブロンテの姉シャーロットの原作小説を映画化したもの
原作を上手く翻案してあり、映画単体で十分面白い

子役が活躍しており主人公の子供時代役のペギー・アン・ガーナー、主人公が大人になったあと家庭教師をする少女アデール役のマーガレット・オブライエンがとても愛らしく演技も良く前半を牽引してくれる

そして何よりオーソン・ウェルズの存在感が素晴らしい
彼が画面に登場するだけで映画として成立してしまう名優の凄さがわかる

主人公のジェーン・エア役のジョーン・フォンテインの配役がまた良い
原作の不美人設定に対応しながらも、美人とは言い難いものの醜くはない見方によると結構綺麗かも知れないという微妙なところが見事にはまっている
そして19世紀の半ばでありながら個を確立した女性すなわち現代女性の原形をしっかりと演じて見せてくれた

ハッピーエンドは充分にカタルシスを得ることができる作品

また映像も白黒作品であることを上手に活かした撮影で、特に深い陰影の撮影は銅版画の美術品を見るようで美しい
慈善学校の初日の長い伸びる影での効果、霧の月夜でのロチェスターとの最初の出会いのシーンなども印象的な心に残るシーン

良い名作文学映画でした

あき240