メメントのレビュー・感想・評価
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なぜ今まで観ていなかったのか、自分。
「メメント観たことある?」と聞かれたが観ておらず一緒に鑑賞。クリストファー・ノーランという固有名詞が脳に定着する前に知った作品だったため本作もクリストファー・ノーランだとは知らなかった。
さすがクリストファー・ノーラン、冒頭の時間が逆戻しになるシーンも良作であることも難解であることも如何にもクリストファー・ノーランという感じがして良き。
鑑賞後レビューを書いてない作品が何作かあるがこちらを優先的に書かなければレニーのように記憶を無くして後から書けなくなると思い、真っ先に書くことにする。
「妻を亡くして記憶を維持できない主人公」という情報をまず得ておかないと物語が理解ができなかっただろう。実際に時間が戻っているということもすぐには理解できなかった。
私は伏線回収映画は大好きで好んで観ているが、時間を少しずつ戻して自分も主人公と同じ「分からない」を作り上げる手法が素晴らしい。
上記に優先的に書かなければ…と書いたが、実際のところ書きたいことは多くあるが上手くまとめることができない。
とりあえず、「クリストファー・ノーランは凄い」と言っておく。
※人と一緒に観ることをオススメします。一人だと分からないまま先に進んでしまい混乱するので。
10分前、俺はなにをした?
数分で短期記憶を失ってしまう男
妻を亡くす以前の記憶はあるが、それ以外はメモを頼りに犯人を探す生活をしている
描写が独特でカラーの時は時間が逆行、モノクロのシーンは順行する
テディが撃たれるところから映画が始まる
話が進むにつれて友人を名乗るテディや親しそうなナタリーなど怪しさが増してくる
周りの何人かはレニーの症状を理解して利用している
一番長い付き合いのテディは本物の犯人を探す協力をしたのちは、割り切って自分の利益のためにレニーを利用する
レニーは復習という目標を作ることで妻を殺してしまった事実から逃れ続ける
自分の症状を利用してあたかも妻が生きているかのように錯覚させるような行動からも現実逃避の気が見て取れる
自分の体にのこしたメモは10分後の自分への新たなヒント
目を瞑っていても世界は続いている
記憶を失い続ける男か、記憶を改竄し続ける男か
このセリフを発するのには皮肉が効いている
記憶のない間も世界は続いているし、それを理解しつつも最も目を逸らしているのはレニー自身
逆回転で謎を解明していくストーリーが斬新で、見応えがある映画です。
映画史上、おそらく初のストーリー展開です。
すべてが「逆回転」でのストーリーになっています。
つまり、「結末」から始まって、「なぜこのような結末になっているのか?」と謎を解き明かしていく構成になっています。
主人公は、ある障害により直前の「10分間」しか記憶が残らないようです。
そのため、ありとあらゆる方法で、メモを残し、そのメモから記憶を辿り、謎を解明していきます。
謎めいた映画ですが、観る人に親切な工夫もあります。
現在の(逆回転、つまり現在から過去に遡る)場面はカラーで描かれ、記憶を辿る(過去から現在の)場面はモノクロで描かれています。
そして、ラストシーンは、びっくり、衝撃です。
理解を深めるために、
おそらく、大半の方は、もう一度、最初から観ると思います。
何度も見返したくなる
10分しか記憶が続かない彼が殺人犯を探していく。
物語が断片的に遡っていくような見せ方で、考えながら見るのに苦労し、いつの記憶を信じればよくて誰を信じて誰を疑えばいいのか?と主人公と同じ目線でみれる新しい映画だった。
何度も観て答え合わせしたくなる映画だった。
10分しか記憶を保てない男が妻殺しの犯人を追うというストーリー。 ...
10分しか記憶を保てない男が妻殺しの犯人を追うというストーリー。
時間軸が難しく、理解していくのがなかなか困難だが、観れば観るほどおもしろくなるんだろうなぁと思う。
記憶が続かないことで騙され利用されることもある主人公だが、その彼も記憶を都合の良い部分だけ利用しているんだなぁ。
なにを「忘れるな」?
○作品全体
タイトルの『メメント』はメメント・モリから来ているという。メメント・モリは「死を忘れるな」という意味で、生きている限り必ず死が訪れることを覚えておかなければならない、という言葉だが、本作の主人公・レナードにとって、この言葉は真実が開示されていくと意味合いが変わってくる。これが鳥肌の立つほど衝撃的で、痺れる映像演出のギミックだった。
序盤から早速、レナードがモノローグやダイアローグで障害を説明するシーンで、この作品のルールともいえるレナードの障害が語られる…と、言うような捉え方をしてしまうとレナード(の後ろにいるクリストファー・ノーラン?)の思う壺なわけだが、そう思わせてしまうのは作品の構成力が成せる技だろう。過去に遡る時間軸と過去から近づく時間軸によって、シークエンス単位で切り取られていくが、このシークエンスがそのままレナードの記憶の保持していた時間と合致する。そうすることでレナードの「短期的な記憶のもろさ」がシークエンスの時間と同期して、映像からレナードの記憶の脆弱さを感じとることができる、という仕掛けだ。
ただ、一方でこの演出は事件前後の真実がどういったものだったのか、というところから目線を向けさせない演出にもなっていて、私たちを「レナードは短期的な記憶は怪しいものだが、事件前後の記憶をレナードは覚えている」と誤解させる。事件前後の記憶はシークエンスを跨いでもほぼ同じ内容でレナードから語られるから、対比的にそう思わせるのだと思う。そしてそれは「信頼できない語り手」としての役割を静かに強化させる要素だった。終盤になると事件前後の記憶や、事件前のことだったサミーの話はレナードによって都合良く改ざんされたものだと判明する。この映像演出によって作られた強固な真実への壁が崩壊した瞬間は、衝撃とともに真実に辿り着いた、というなんともいえない気持ちよさがあった。
妻の死に報いを、という動機から妻の死を生きる糧として、という動機へ復讐劇は変わった。レナードを騙しはしていたものの真相を知ってサポートしていたギャメルもその犠牲となり、後に残るのはナタリーのような単純に自己の利益のためにレナードを使う人物だけになってしまった。ギャメルが死んでからは本当に同じ「復讐劇という名の殺戮」を繰り返すだけなのだろう。でもレナードはそれでいいのだ。生きる理由が体に刻まれている限り、レナードは生きる目的を忘れないでいられるのだから。
○カメラワークとか
・映像におけるカット、シーン、シークエンスは意図的に制作者が物語のはじめと終わりを編集したものだ。この作品でももちろんそうなのだが、レナードの記憶が途切れるとシーン、シークエンスが終了してしまうため、レナードの記憶の限界がもう一つの時間軸へカットバックするというのが、ほんとに素晴らしいアイデアだった。
○その他
・真実がつまびらかになったところも面白かったけど、一番鳥肌が立ったのはナタリーが暴言を吐いた後、車の中でレナードが忘れることを待っているカットだ。ここのナタリーが作中で一番明確に悪意を持ってレナードの障害を利用しようとしていたと思う。ナタリーのじっとレナードを見る目線。めちゃくちゃ怖かった。やっぱり一番怖いのは幽霊でも化け物でもなくて、人間の悪意だ。映画の中でもそれは変わらない。
10分しか記憶を保てない男の話。なんとも面白そげ。段々と過去に遡り...
10分しか記憶を保てない男の話。なんとも面白そげ。段々と過去に遡り徐々に真実が明らかになるという手法も斬新だ。
しかし、まあ難しい。これは何度も見なくては理解できない。幸い今はネット解説があるが、それがなければアホな私は何度見たとしても理解できていないだろう。ネタバレ見てから鑑賞する方が理解はしやすいのだが、サスペンスゆえにそれもできないよなあ。なんとも罪つくりな作品です(笑)
TVO吹替版鑑賞
初見の最高の驚き。2度目の最高の納得
言わずも知れた名作。子供の頃にテレビで見たのを覚えている。親の見ているのを何となく眺めていたのだが、途中からの怒涛の展開に目を回し、ラストに混乱した。それは驚きに満ちた混乱だった。
そして改めて見直してみた。大人になった私は心の意味でストーリーを追うことになり、主人公の独白の意味を考えることが出来るようになった。そしてこの映画の出来の高さに改めて驚かされ、そして納得する。
名作として語られるだけの作品です。少し古いとはいえ食わず嫌いをせずに見てみてください。
前提知らないと混乱します
カラー画面は過去に遡る。白黒画面は逆に過去から進む。これを知っておかないと何がなんだかわかりません。私は白黒の方の法則を知らず、半分くらいで気がつきましたが、もはや混乱の極味。 見終わっても、なんでそうなのか?なんのためにやったのか?など疑問てんこ盛りで、知恵袋でも意見が色々なので、それが狙いなのか、作りが下手くそなのか判然としません。 人によって解釈違う、ってのが好きな人にはいいんでしょうな。
サスペンスの画期的な視点
本作の監督クリストファー・ノーランは本などの書籍を終わりから読むらしい。先に結果を知っておくと、なぜそうなったのかというプロセスに興味を惹かれて、結果すべてがミステリーとして読めるからだそうだ。
なるほど、楽しみ方は人それぞれだが、そういう趣向がある種ノーラン作品の基盤になっていることは間違いない。
さすが!
面白いことを考える人だ👍
「信用できない語り手」の宿命
記憶が10分ほどしか保たない主人公レナード視点の物語を、実際の時系列とは逆順にして映し出すという革新的な形式が話題を呼んだ本作。この形式が本当に見事で、これのおかげでレナードと同じく観客も「どんな経緯で自分(レナード)がその状況に陥ったのか?」が分からない。信頼できると思っていたキャラが次のシークエンスでは全くそんなことはないキャラだと分かったりと、徐々に真実が明らかになっていくとともにレナードが取り返しの付かない方向へ道を踏み外していったことも何となく伝わってきて、難解な構成ながら飽きずに楽しむことが出来た。
ただ途中に挿入されるモノクロのパートは(物語上重要な役割をすることはわかるが)ただでさえややこしい構成を難解にし過ぎている気も。
肝心の結末だが、まぁ予想の範囲内。「信用できない語り手」視点のストーリーを、この構成で見せる以上、この類の結末以外はあり得ないだろうなという感想。衝撃のラストに驚かされる、というよりは、空白だったパズルのピースがだんだんハマっていき、終盤には全てが繋がっていくのを楽しむ作品なのだろう。
とはいえ、レナードの復讐はこれから先もずっと続いていくことを感じさせるラストは、イヤ〜な余韻を残す良い締めだと思った。
もう一度見たくなるがしない
ノーラン監督作品らしく、時間軸を中心とした構成が面白い。短期の記憶喪失の主人公が思い出すためのヒントが書かれた刺青やメモを見ながら謎解きしていくのだが、徐々に主人公の視点で自らが謎解きをさせられるとても難解な映画。見応え十分で、もう一度見直したいという願望があるが、面倒なのでやめておくw
斬新なアイデアが光る
クリストファー・ノーラン監督の第2作(2000年公開米国映画)で、原作が弟のジョナサン・ノーランで、脚本も監督自身。
時系列を逆向きに進行させることで、物語が進行する。従来全く見たことが無かったタイプの映画で、アイデアが凄いと思わされると共に、大きな謎が次第に少しずつ解けてくる心地良さが得られるところがあった。とは言え、2回見ないと良く分からないかも。
難解
難解な映画だと聞いて鑑賞してみました。時系列の逆転していく内容なので少し解りにくいかなと思いました。解らなければ丁寧に纏めてくれている方のサイトもあるので見れば解ると思います。
難解。
非常に難解な映画。
当方は頭が悪く一度では理解できなかった。
見た後の考察、脳内整理までがノーラン作品の醍醐味か。
ない頭で理解できたことは、事件前に自分と同じような
症状を持つサミーという人物を空想上で作り出し、
自分よりも重い症状にすることで妻を殺したのが自分では
ないと自己暗示していたこと。最後はサミー=レナードだと
テディに明かされる。
レナードの仇であるジョンGは一年前の時点で
既に殺されていたこと。
テディはレナードの妻殺害事件の担当刑事でレナードが
行う復讐を黙認していた。
しかし、レナードはジョンGを殺したことで完了したはずの
復讐劇をメモせず敢えて忘れることで殺しを楽しんでいたか
あるいは復讐を生き甲斐にここまできたのでそれを失うことを恐れたのか、新たなジョンGを見つけては殺し続ける。
終い(劇中では序盤だが)にはテディをジョンGとして殺害。
今後レナードはどうするのだろうか。
また存在しないサミーを安定剤に殺しに励むのだろうか。
この映画は登場人物全員が腹黒い汚い奴である。
エミリーは自分のためだけにレナードを騙して利用し、
テディはジミーが持つ20万ドルを狙っていた。
大家はレナードの記憶障害を利用し2部屋分の金をとる。
全員が救いのない実に人間臭さのある奴である。
この難解映画は
白黒→→→→→→→→→→→→→→→
←←←←←←←←←←←←←←←カラー
という時系列が交互に映され、鑑賞者に頭を使わせる作品。
終盤に時系列の折り返し地点を衝撃的に見せることで、
さまざまな憶測が生まれ、もう一度見たいと感じさせる。
個人的にはここまで複雑だと疲労感がすごい。
逆再生で!
TENET、インセプション、インターステラーを観た後なので、これらに比べたらなんと解りやすい映画か。公開当時に観たらきっと混乱しただろうな。
普通に時系列で話が進んだ作品なら、普通の映画として数ある中の1つだっただろうが、これを最後の結末から少しづつ巻き戻って事件の経過をみせるなんてことを考えつくなんて、やはり凡人ではない!斬新で面白かった。
全230件中、41~60件目を表示