「スプラッター・ムービーの輝かしい夜明け」死霊のはらわた（1981）　みつまる。さんの映画レビュー（感想・評価）

"サムライ・ミー"とでも言うべき、ふざけた名前の新人監督サム・ライミが血飛沫を上げながら誕生した彼の記念すべき処女作。
“スプラッター”と言うジャンルを確立した伝説のホラー映画でもありました。
それまで一番怖いホラー映画と言えば、『エクソシスト』が断トツだった世間の常識をもあっさりと葬り去りましたね。
しかもシリアスな展開ばかりが続く『エクソシスト』と違い、こちらはもうギャグ漫画みたいである。
特殊メイクと分かっていても、死霊に憑依された人間のおぞましい顔つきは、思わず目を背けたくなるほど怖すぎる！
どアップだけは勘弁して欲しいと心の底から願う。
低予算と言った制約があるにもかかわらず、ちょっとしたアイデア次第で、これほど人を怖がらせる事の出来る作品を撮れるサム・ライミはもう天才としか言いようがない。
執拗に繰り返される地面を這うようなカメラの疾走感も斬新な、まさに惡夢のような作品。
間違いなく暫くは惡夢にうなされそう。