劇場公開日 2023年11月23日

  • 予告編を見る

「出会えてよかったいい映画」ゴーストワールド のむさんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0出会えてよかったいい映画

2024年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

萌える

前日に『エマニエル婦人』を鑑賞し、youtubeでBLACKHOLEの「リバイバル映画特集」を見て復習。その際に取り上げられていたのでなんとなく気にはなっていた。

公開当時から今の今まで、まったく知らなかったが、別件で渋谷の街を歩いている際に旧渋谷TOEI、現Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下の前を通りかかった際に発見。時間も丁度良かったので、ふらっと入ってみたら、なんとまぁいい映画に出会えた。

出てくる登場人物がすべていとおしい。そして、すべてのキャラクターに自分自身を重ねることができた。作中「ゴーストワールド」という題名を直接想起させるセリフやシーンはなかったと記憶しているが、「ビッグマックとナイキで満足」な人ばかりの世界で、そこに抗う若者を丁寧に映し取っているように感じた。職業柄若者と接することが多いが、今の若者は自分たちを陽キャ、陰キャと簡単に分別し、陰キャの声は通らないと思い込んでいる節があるように思う。公開から22年がたった今、イーニドのような子たちはクーン・チキンのポスターを作品として提出することすらできなくなっているのかもしれない。そんな若者たちと向き合ってあげたくなる映画だった。

この映画が公開した当時、私は高校1年生だった。その時の僕がこの映画を見たら、どう思ったのだろう。38歳になるこの年でこの映画に出会えたことが、私の人生にとってとても幸せなことだと思っている。おそらくハリウッドでのストの影響か、新作があまり入らなくなった今、リバイバル映画の波にうまく乗って、いい旧作と出会いたいものだ。

のむさん