シリアナ : 新作映画評論

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シリアナ

劇場公開日 2006年3月4日
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シリアナ 3月4日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

観る者の知覚が試される野心的な映画

画像(C)2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

「トラフィック」でオスカー(脚色賞)を受賞したスティーブン・ギャガンの脚本・監督作。中東の石油利権をめぐるアメリカの政・財・官の暗躍が浮き彫りになるポリティカル・スリラーだ。ギャガンお得意のアンサンブル劇で、ロケ地は4大陸220カ所にもおよび、総勢30人ほどのキャストが地球上のあちこちでうごめき、パノラマのように同時進行する複数の物語が複雑に絡み合う展開がスリリングだ。ジョージ・クルーニー(アカデミー賞助演男優賞受賞)、ジェフリー・ラッシュ、マット・デイモン、クリス・クーパー、クリストファー・プラマーら芸達者が揃う男臭い映画だ。

複雑なストーリーラインだが、ギャガンによれば、アウトライン(箱書き)は書かず、黒澤明流に何回も何回も最初から書き直したという! アカデミー「オリジナル」脚本賞ノミネートも納得の、力がみなぎった脚本だ。

人物が映らない無人のショットがひとかけらもないのが興味深い。人物は頻繁にロング(望遠)レンズでとらえられ、盗撮的かつドキュメンタリー的効果があり、またスピーディなカメラワークもテンポがある。

ただ、台詞を含め「情報量」が圧倒的に多ぎるせいか、脳みそがヘトヘトになった。観る者の知覚が試されるとてつもなく野心的な映画であり、硬派なギャガンらしく、不敵かつ挑発的な主題が浮かび上がるラストがいい。

佐藤睦雄

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(C)2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

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