キングス&クイーン : 新作映画評論

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ヴェロニカ・マーズ

新作映画評論

キングス&クイーン キングス&クイーン 6月17日よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー

そこで語られる2時間30分には、人生のすべてがある

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テーマは「養子」なのだと監督は言う。確かに養子問題が、すでに別れたカップルの「その後」を繋ぐ。別の男と3度目の結婚をしようとする主人公のノラとその2番目の夫(未入籍)が、ノラの最初の夫との息子を巡ってあれやこれやのドタバタを繰り広げるのだ。そしてそこにそれぞれの家族の特殊事情やら彼らの現在やらが絡まって、さらに物語は大きく膨らむ。

2時間30分という恋愛映画にしては十分に長い上映時間をとことん使って、この映画は語れるだけの物語を語る。私の物語、あなたの物語、父の物語、妹の物語、姉の物語、子どもの物語、などなど。画面の片隅に映る細部の細部までがそれらの物語のかけらとなって、そこでは実際に語られていない物語の背景をはっきりと形作る。つまり、私たちが生きる現在がいかに多くのものによって存在しているか、そしてそのためにいかに多くの人が死に、悲しみ、喜び、歌い、踊り、怒り、闘ってきたかが、そこでは語られるのだ。誰もがそれらの「養子」であるのだと。

だから誰に自慢できるわけではないこの私の人生が、この映画のおかげで豊かなものに変わる。何しろ私の言葉、私の行いのすべてに、さまざまな人たちの人生が宿っている。そのことを、この映画は実感させてくれる。つまり、そこで語られる2時間30分には、人生のすべてがあるのだ。

樋口泰人

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ABOUT THE MOVIE

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  • キングス&クイーン
  • 約5年ぶりとなるデプレシャン監督の新作は悲劇と喜劇を行き来しながら、一組の自由奔放な男女とその周辺を描く2部構成のコメディドラマ。パリで画廊を営むノラは、死別した夫との間の子供エリアスを自分の父親のところに預けているが、その父親がガンで余命幾ばくも無いことを知る。そこで、ノラは1年前まで同棲していた恋人イスマエルにエリアスを養子にしてもらおうと頼みに行くが……。
  • 原題:
    Rois et Reine
    監督:
    アルノー・デプレシャン
    脚本:
    アルノー・デプレシャン、ロジェ・ボーボ
    撮影:
    エリック・ゴーティエ
    出演:
    エマニュエル・ドゥボス、マチュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーブ、モーリス・ガレル
    2004年フランス映画/2時間30分
    配給:
    boid
  • 6月17日よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー
  • オフィシャルサイト

キングス&クイーン

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