ガザ・サーフ・クラブ

劇場公開日:

  • 予告編を見る
ガザ・サーフ・クラブ

解説

自由と解放を求めてサーフィンに興じるガザ地区の若者たちの姿をとらえたドキュメンタリー。

イスラエルとエジプトに挟まれたガザ地区は、約200万人の人々が狭い土地に閉じ込められて暮らしていることから「天井のない監獄」と呼ばれ、若い世代は仕事も未来への展望もないまま日々を過ごしている。そんな中、多大な努力の末に約40本のサーフボードがガザに持ち込まれ、同地のサーフコミュニティは盛り上がりを見せていた。

最年長のサーファーである42歳のアブー・ジャイヤブは、若者たちにサーフィンを教えている。ガザでサーフショップを開くことを夢見る23歳のイブラヒームは、アメリカからやって来たマシューにその夢を話し、マシューは支援を約束する。15歳の少女サバーフは子どもの頃にサーフィンを習っていたが、今はもう、かつてのように自由にサーフィンしたり泳いだりすることはできない。彼女はスカーフを腰に巻いて泳ぎ、自分なりの抵抗を見せる。やがて、イブラヒームはマシューからハワイに来ないかと誘われるが……。

2016年製作/87分/ドイツ
原題:Gaza Surf Club
配給:ユナイテッドピープル
劇場公開日:2024年1月13日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16

(C)Niclas Reed, Middleton Little Bridge Pictures

映画レビュー

5.0ガザの若者たちちは今も生きておられるのか

2024年4月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ガザには海がある。
空と海があるが他の土地のように空も海も無制限、自由なものではない奇怪さ。もちろんイスラエルによる植民政策、占領、アパルトヘイト、徹底して非情な隔離 政策によるもの。主人公の青年がアメリカハワイへのビザを手にできたことも奇跡にちかいだろうし、同じ空と海が全く自由なハワイの地を踏んだら、ガザの地でサーフ文化を築こうという気持ちは揺らぐだろうと思う。このままハワイに留まっておられたなら、サーフボードの土産、サーフボードを作り直し売る技術を待つ仲間たちはがっかりするだろうか。待っている仲間たちはガザの地で無事だろうか。張り裂ける思いしかない。
そして難民だろうが、被占領地の住民だろうが、生活困難な貧しさがあろうが誰しも最低限の衣食住や教育はもちろん、自由に文化やスポーツや趣味やおしゃれや何もかもを享受する権利もあるのだ。この映画に映る人全て、彼の地に暮らす人全ての無事を祈らずにはいられない。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
redir2

5.0最近は爆撃などの話題でばかり見る地名ですが。 平穏な時には、波乗り...

2024年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

幸せ

最近は爆撃などの話題でばかり見る地名ですが。
平穏な時には、波乗りに興じる若者もいて、目いっぱい楽しむ様子。

ハワイに教えを請いにいくとか、
女子が家族同伴で波乗りで盛り上がるとか、

鬱屈とした環境ながらも、発散している様子、拍手したくなりました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
woodstock

5.0世界最大の「天井のない監獄」・・ 閉じ込められた若者は自由と開放を求めてサーフィンに興じる (ポスター)

2024年2月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

えっ? ガザで?
ええっ?「サーフィン」なんですか?
マジっすか・・・

・・・・・・・・・・・・・

うちの会社(運送業)には
サーファーが何人かいる。
まずは、いったいどうしたことか、せっかくの三重県、=太平洋沿いの海辺の町から引っ越してきた彼、Hクンのことだが、
Youは何しに長野県へ!?
「海なし県で、まさか諏訪湖くんだりでサーフィンをするわけじゃあるまいし w?」と問うてみたところ
「長野県に住めば太平洋と日本海の両方に行けて、好きな波を捕まえられるからなんだ」と。
う〜ん、彼は事もなげに答えるが、驚きの返事だ。目からウロコが落ちた。さすがである。

あとの2人は新潟営業所の所属。
彼らは新潟発で、静岡県(浜松)までの区間を、週に3回、トラックで往復している。もちろん「海が目当て」で。
彼らは、見事に真っ黒に日焼けしている。朗らかで、とてもいい奴らだ。
髪も潮焼けして赤くなり、引き締まった体に、真っ白な歯が眩しい。
サーファーたちは
サーフィンをしたくてトラックに乗り、サーフィンをするために目的地を目指して夜通し走る。
平和だ。

パレスチナで、イスラエルがガザに侵攻し、大規模な地上戦を始めてからすでに4カ月。
テレビでは、壁に取り囲まれた“ゲットー”で、逃げる道さえなく兵糧攻めに遭いながら、爆撃された病院や、土埃まみれの遺体や、絶望的な瓦礫の地平が映っていて、目を覆うばかりだ。
死者はすでに29,000名。
死者の半分は子供。

「ガザ」地区は飛び地だ。
三方をイスラエル軍の壁に塞がれている。開いているところは西に広がる海だけ。
この「ガザ」で「サーフィン」をしている若者たちがいるらしい。
思いもしなかったこの2つの取り合わせを、今回、渋谷の映画館で観て、確かめてきた。

逃れられない運命からの現実逃避の行いでもあるだろうし、
侵略戦争に対する徹底的な拒否。四面楚歌を笑い飛ばす超絶アンチの行動でもあるだろうし、
サーファーである彼らは、国際赤十字の介入で、カリフォルニアから輸入したもののイスラエルに没収されて留め置かれていたボードを彼らは2年かかって取り返し、手に入れる。
爆撃の止まっていた5日間に波に乗り、
その2日前には子供が撃たれた浜辺へとそれでも乗り出し、
自分の子供よりもボードが大切なのさと言いのけて笑い、
娘にもヒジャブを脱がせて板に乗らせる。
それがガザのサーファーたち。
何なんだ、これは。

そもそも、かつて奴隷として虐げられていたヘブライ人たちは、自身、紅海を渡って、強大国家エジプトの支配から逃げおおせて来れたのではなかったか。
あの出エジプトの「海の救いの体験」はイスラエルだけの 占有物なのだろうか。
他民族は、パレスチナ人は、彼らは海を渡ってはダメなのか?

あの日、あの時の戦争では
サイパンの断崖では、
母親は赤子を抱いたまま、奈落の底の岩の浜に身を投げ、
沖縄戦では、島影も見えないのに、後ろから追い詰められた住民は沖に向かって泳ぎ出した。
元安川でも隅田川でも、猛火から逃れるために人々は水の中へ。
沢田教一は川の中の母子「安全への逃避」を撮っている。

パレスチナのガザでは、
若者たちが
それでも、この戦争のさなかにあってこそ、
命の源である水に、そして海に、
人間が遊ぶ。
― この事の圧倒的な《生》の光景に、
僕は帰りの電車で、
まだ言葉化できない衝撃を受けている。

アッ=サラーム・アライクム
اَلسَّلَامُ عَلَيْكُم
(Peace be upon you.)

コメントする (0件)
共感した! 0件)
きりん

5.0誰も海では僕らの自由を奪えない。

2024年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

ガザ・サーフ・クラブ
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2024年1月18日
2016年の記載はおそらく上映開始かとおもいます。

誰も海では僕らの自由を奪えない。
イスラエルとエジプトに挟まれたガザ地区は、約200万人の人々が狭い土地に閉じ込められている。
経済封鎖が続くガザでは船舶の自由な出入りはなく、入る物資も出ていく物もほとんどない。
若い世代は仕事もなく、未来への展望のないまま日々を送っている。
2014年のハマスとイスラエル間の紛争は、イスラエル軍の地上侵攻に発展し、多くの人命が奪われ、多くの建物が破壊された。
しかし、このような状況下でも、若い世代は自由を求めて海に繰り出し、サーフィンに興じている。

42歳のアブー・ジャイヤブは、最年長のサーファーで、若者たちにサーフィンを教えている。
子どもたちがサーフィンを習いにやってくるが、以前はクローゼットの扉やテーブルの天板など、どんな木片の上でもサーフィンをしていた。
23歳のイブラヒームは、いつかガザでサーフショップを開くのが夢だ。アメリカからガザにやってきたマシューにその夢を話すと、マシューは支援を約束してくれた。女性のサーファーもいる。
イブラヒームは、いつかガザでサーフショップを開くのが夢だ。アメリカからガザにやってきたマシューにその夢を話すと、マシューは支援を約束してくれた。
女性のサーファーもいる。15歳のサバーフは、子どもの頃にサーフィンを習っていた。しかし彼女はもう、若い頃のように自由にサーフィンしたり泳いだりすることはできない。彼女はスカーフを腰に巻いて泳ぎ、自分なりに抵抗することもある。
彼女の夢は「世界を旅して、ガザで有名になること」
イブラヒームに転機が訪れる。仲良くなったマシューがハワイに来ないかと誘ってくれたのだ。

以前上映されていた「ガザの日常」という作品と連系しているような気がします。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
大岸弦