リンダはチキンがたべたい!のレビュー・感想・評価
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その行動力はすごいと思うが、善悪の判断基準が緩くて、気になる部分は多い
2024.4.18 字幕 MOVIX京都
2023年のフランスのアニメーション映画
父の味を求めて、ストライキ中のパリでチキンを探す母娘を描いたコメディ映画
監督&脚本はキアラ・マルタ&セバスチャン・ローゼンバーグ
原題は『Linda veut du poulet!』で「リンダはチキンが食べたい!」、英題は『Chicken for Linda!』で「リンダのためのチキン!」という意味
物語の舞台は、フランス・パリ郊外の集合住宅
そこで暮らすリンダ(メリネ・エクレール)は、幼い頃に父ジュリオ(ピエトロ・セルモンティ)を亡くしていて、多忙な母ポレット(クロチルド・エム)と一緒に過ごしていた
ある日、母から結婚指輪を借りて登校しようとしたリンダは、それを母に見つかってしまう
指輪を返し、仕方なく学校に向かったリンダは、そこで親友のアネット(スカーレット・ジョルトン)と出会い、彼女がかぶっていた黄色のベレー帽を借りることになった
リンダが帰宅すると、母は何か探し物をしているようで、母は黄色のベレー帽と指輪を交換してきたと思い込む
「交換したと白状すれば帽子は返す」と言い、リンダは不本意ながら「交換した」というものの、母は約束を守らずにベレー帽を没収してしまった
さらに「お仕置き」と称して、ポレットの姉アストリッド(レティシア・ドッシュ)の家にリンダを連れて行き、「監獄」に彼女を入れることになった
その後、帰宅したポレットは、日に日に酷くなる水漏れと奮闘しながら、愛猫のガッツァの奔放さに翻弄されてしまう
そして、ガッツァが吐いたものの中から指輪は見つかり、ポレットは罪滅ぼしとして、母はリンダに謝り、「なんでもしてあげる」と告げた
そこでリンダは、「父の得意料理だったパプリカ・チキンを食べたい」と言い、二人はそのまま買い物に出かけることになった
だが、ストライキの影響で店が開いておらず、お目当てのチキンを手に入れることができない
やむを得ずに帰宅しようとした時、道すがらに養鶏場を見つけた母は、生きた鶏を手に入れるために飼い主と交渉しようとするる
だが、そこには息子のケヴィン(アントワーヌ・モメイ)しかおらず買うことができない
そこで母は、ケヴィンの目を盗んで、鶏を一羽勝手に持ち帰ってしまうのである
物語は、その帰り道で「スマホのながら運転」にて警察に捕まる母を描き、荷物検査の際にせっかく捕まえた鶏が逃げ出してしまうところから動き出す
警官のセルジュ(エステバン)と巡査長(ジャン=マリー・フォボンヌ)に連行されそうになったポレットは、鶏が逃げ込んだトラックの荷台に駆け込み、リンダも一緒についていく
そして、警察によってトラックは止められてしまい、御用となってしまうのである
映画は、この母娘の何でもありの行動を受け入れられるかが鍵で、ストなのに今日にこだわるリンダ、娘の話を一切聞かずに犯人扱いする母などが描かれていく
色彩が特徴的な作品で、キャラクターはほぼ単色で塗られていて、動きもぬるぬるした感じになっている
子どもの落書きのようなテイストであるが、これが意外と味があるように感じられるところは面白い
最終的にはハッピーエンドっぽくなっていくし、ポレットとトラックの運転手ジャン=ミミ(パトリック・ピノー)は良い感じになるし、アストリッドと警官セルジュの仲も良くなってしまう
一歩間違えれば死人が出ていてもおかしくないような内容だが、これで誰もが無傷と言うところがファンタジーなのかもしれません
いずれにせよ、かなりDQN的な行動の母娘なので、このキャラに共感できるかはわからない
キャラはそれぞれ色が振り分けられていて、リンダは黄色、ポレットはオレンジという感じで、そこまで被らないので、見ている分に混乱することはない
少しだけ哲学的な部分があって、父の記憶がないリンダがそれを取り戻す過程も描かれているので、五感に残っている記憶と脳に残っている記憶との結合によって「存在証明」がなされるのは良かったと感じた
ファッキンリンリ
何だか珍しいタッチのアニメ映画だなぁと惹かれるように劇場へIN。特典はレシピカードでした。
アニメーションは最高!でも話はあんま好きじゃない!
そんなタイプの作品でした。
アニメーションは線と色で構成されており、これをちょこまかとちょこまかと動かすの相当大変だったろうなと思いましたし、上空から団地を見下ろすシーンなんかは絵本の世界に入り込んだような感覚でワクワクしました。
この難しいであろうアニメーションに挑戦してくれたアニメーターの方々には感謝が尽きません。
今作の気になった点はブラックすぎるコメディにつられてキャラクターがイカレまくっているところだと思います。
まず主人公のリンダは最初はお父さんを早くに亡くしてしまっているし、お母さんから厳しくしつけられているしで、大変な子だなぁと思っていたんですが、叔母さんの家に放り込まれたあたりからどんどんワガママな面が出てきて、出された料理に文句を言い、下品な遊びをしたりと後々この子がこうなのも親のせいか…と味わうことになりますが、まだこの段階ではまぁ子供だしなぁでギリ許せていました。
そこからチキンが食べたいの一点張りで行動していくので、周りなんてお構いなしに狂ったようにチキンを食べようとする様子ばかりで、タイトル通りっちゃタイトル通りなんですが、このクソガキ…!って何回も思いました。
直近で観た「リトル・エッラ」の主人公も紛れもないクソガキだったので、改めてこのくらいの歳の子供は苦手だなぁと思いました(全ての子がこんなに自由なわけではないんですが)。
しっかしお母さんがそれ以上にヤバいやつでコメディで進んでいるはずなのに笑えずに引いている自分がいました。
勘違いしたまま姉の元に娘を預けて、そこから勘違いを謝ったと思ったら、ストライキ中の街中からニワトリを奪うというシンプル犯罪をやってのけたり、姉に再び迷惑をかけたり、反省する様子なんて全くなく責任をなすりつけまくっていたりと、顔がピキピキってなるくらいにはこの70分でお母さんを嫌いになりました。ここまで不快指数が高いキャラクターは久々かもしれません。
ずっと振り回されっぱなしのお姉さんが不憫でなりませんでした。
妹からの詫びは言葉ですら無いし、姪っ子は駄々をこねるし、頼まれごとなんでもやるもんだと思われてるしで、これ邦画だったら絶縁してもおかしくない話だよなぁとお姉さんに同情しっぱなしでした。
住民たちは抜けている方々が多いので、そりゃ誰も止められないよなぁと遠い目で観ていました。
最後はハッピーエンド風に終わっていますが、お姉さん引き摺り込まれたのにその後何事もなく地上に戻ってるし、お母さん何も反省してないし、リンダはチキン狂いのまんまだしで、ハッピーさについていけずにポカーンとしていました。
倫理観の崩壊したクレヨンしんちゃんの世界という文言が自分の中でぴたーっとはまりました。あのラインだからこそクレヨンしんちゃんは面白いんだなと再確認するきっかけにもなりました。うーん難しい。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 14:50〜16:15
座席 I-12
フレンチコメディ
幼い頃の微かな記憶
今は亡き父親の得意料理パプリカチキン🍗
がどうしても食べたいと、リンダは言い出す。
それは母親の勘違いにより、その代償としてお願いする。だが、その鶏肉を買いにいくがストライキによりお店は閉まっている。
母親は養鶏場から鶏を盗み警察から追われる
はめに。警察や街中の人々を巻き込んだ珍道中。
リンダを含めた子供達は自由奔放。
子供目線で心情と行動、性質を上手に
描いている。
色彩も華やかで自由に創られていて
カラフルでキュートで綺麗。
ドダハタ喜劇の連続だがユーモアたっぷり。
鶏肉を食べる前に滅茶苦茶になっていたけど
キャラクターが生き生きしてたから善し。
父親はイタリア人でローマの方だったんだね。
Pollo alla romana ローマ風鶏肉とパプリカの煮込み。美味しそうだね。一緒にスイカも食べれて
良かったよ。
ナゲットも思わず買って食べたし。
心温まる映画でした。
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