全米映画ランキング : 2025年12月5日~2025年12月7日

全米映画ランキング:2025年12月8日発表(毎週月曜日更新)

全米週末興行成績:2025年12月5日~2025年12月7日
(金額・順位は確定前のもの)Box Office Essentials

順位

先週

タイトル「邦題」/配給(日本配給)

上映週

週末の興収
(単位:$)

累計興収
(単位:$)

1 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2 1 63,000,000 63,000,000
2 1 ズートピア2

Zootopia 2
「ズートピア2」

Walt Disney
(ディズニー)

2 43,000,000 220,474,037
3 2 ウィキッド 永遠の約束 3 16,750,000 296,952,000
4 劇場版 呪術廻戦「渋谷事変 特別編集版」×「死滅回游 先行上映」 1 10,155,000 10,155,000
5 3 グランド・イリュージョン ダイヤモンド・ミッション 4 3,500,000 55,324,000
6 Kill Bill: The Whole Bloody Affair 1 3,250,000 3,250,000
7 6 Eternity

Eternity

A24

2 2,726,043 9,582,660
8 8 ハムネット

Hamnet
「ハムネット」

Focus Features
(パルコ)

2 2,300,000 4,178,000
9 Dhurandhar

Dhurandhar

Moviegoers Entertainment

1 1,929,390 1,929,390
10 4 プレデター バッドランド 5 1,857,000 88,258,490

大ヒットホラーの続編「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」が大ヒット首位デビュー 「ズートピア2」「ウィキッド」も好調【全米映画ランキング】

12月第1週の北米映画市場、週末3日間(12月5~7日)の興行成績(米メディア調査会社Comscore調べ)は、大ヒットホラーの続編「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」がホラー映画としては驚異の興行収入6300万ドルを売上げ、首位デビューを飾りました。

「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」は、全世界で大人気のスコット・カーソン原作のゲームシリーズを、ハリウッドのホラー界を牽引する製作会社ブラムハウスが映画化した「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(2024)の続編。公開初週の興収3500~4000万ドルの予想を大きく上回りましたが、1作目のオープニング興収8000万ドルと比べると見劣りする結果となりました。

ブラムハウスは、今年公開された「M3GAN ミーガン 2.0」「ウルフマン」「DROP ドロップ」が興行的に失敗に終わり苦境に立たされていましたが、10月に公開されヒットとなった「ブラックフォン 2」と今回の「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」で、転機を迎えつつあります。「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2」は製作費が3600万ドルであるため、スタジオに大きな利益をもたらしています。

ビデオゲームを原作とした映画は、近年「マインクラフト ザ・ムービー」や「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」がヒットを飛ばしており、米興行成績調査会社エキシビター・リレーションズのジェフ・ボック氏は、「ほかのジャンルとは比べものにならないほど、若い世代の映画ファンの注目を集めている」と評価しています。

2位は、感謝祭の興行収入を席巻したディズニーの「ズートピア2」。公開2週目の週末でも興収4300万ドルを売上げ、最終的な世界累計興収は10億ドルを超えると見込まれており、すでに今年の大ヒット作のひとつとなっています。前週2位だった「ウィキッド 永遠の約束」は3位にランクイン。公開3週目の週末で興収1675万ドルを記録し、北米の累計興行収入は2億9580万ドルに達しました。

4位は、芥見下々のコミックを原作とする大ヒットアニメが原作の「劇場版 呪術廻戦『渋谷事変 特別編集版』×『死滅回游 先行上映』」。テレビアニメ第2期の後半「渋谷事変」の特別編集版と、その続編で2026年1月放送開始のテレビアニメ第3期「死滅回游 前編」の第1話・第2話を劇場公開するもので、初週末の興収1015万5000ドルを売り上げました。

映画館運営会社は、ヒット作に恵まれなかった今年の秋を乗り越え、「ウィキッド 永遠の約束」「ズートピア2」、12月19日に日米同時公開される「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」のような大作が、今年を好成績で締めくくる助けになることを期待しています。全体的な収益は2024年比で約1%増となっていますが、多くのアナリストがコロナ・パンデミック前のような年間90億ドル超のチケット売上を期待していただけに、期待外れの結果と言わざるを得ません。

興行収入の低迷に加え、今週、長らく映画体験の敵と見なされてきたNetflixがワーナー・ブラザースを827億ドルで買収する契約を結んだとのニュースを受け、映画館運営会社は存続に関わる問題に直面しています。ボック氏は、「Netflixがハリウッドの至宝のひとつを掌握するのだから、彼らが映画を劇場で見るという意味ある形で維持するのか、それとも自社のビジネスモデルに忠実であり続けるのか疑問に思う」「Netflixはすでに(米ビデオ・DVDレンタルチェーンの)ブロックバスターを潰した。今度は映画館も潰すのか」と危機感をにじませています。

2025年12月8日更新 飯田沙野

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