全米映画ランキング : 2025年12月19日~2025年12月21日
全米映画ランキング:2025年12月22日発表(毎週月曜日更新)
全米週末興行成績:2025年12月19日~2025年12月21日
(金額・順位は確定前のもの)Box Office Essentials
| 順位 | 先週 | タイトル「邦題」/配給(日本配給) | 上映週 | 週末の興収 | 累計興収 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 初 | | Avatar: Fire and Ash | 1 | 88,000,000 | 88,000,000 |
| 2 | 初 | | DavidAngel | 1 | 22,017,322 | 22,017,322 |
| 3 | 初 | | The HousemaidLionsgate | 1 | 19,000,000 | 19,000,000 |
| 4 | 初 | | The SpongeBob Movie: Search for SquarePants | 1 | 16,000,000 | 16,000,000 |
| 5 | 1 | | Zootopia 2 | 4 | 14,500,000 | 282,809,929 |
| 6 | 2 | | Five Nights at Freddy's 2 | 3 | 7,250,000 | 108,930,000 |
| 7 | 3 | | Wicked: For Good | 5 | 4,300,000 | 320,507,000 |
| 8 | 4 | | DhurandharMoviegoers Entertainment | 3 | 2,473,690 | 12,620,690 |
| 9 | 初 | | Marty Supreme | 1 | 875,000 | 875,000 |
| 10 | 10 | | Hamnet | 4 | 850,000 | 8,760,000 |
「アバター」最新作が首位 ティモシー・シャラメ主演「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」は驚異的な売り上げを記録【全米映画ランキング】
12月第3週の北米映画市場、週末3日間(12月19~21日)の興行成績(米メディア調査会社Comscore調べ)は、ジェームズ・キャメロン監督によるSF超大作シリーズの第3作「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」が8800万ドルを売上げ、1位を獲得しました。2022年製作の第2作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」の初週末興行収入1億3400万ドルからは大幅に減少したものの、まずまずのスタートといえます。
「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」は、神秘の惑星パンドラを舞台に、「森」と「海」の世界を描いてきた前2作に続き、「炎」というテーマを軸に、ナヴィ同士の戦いを描いています。
「アバター」シリーズは、爆発的な初週末興行収入ではなく、比類なき興行持続力で知られることから、このホリデーシーズンでどれだけ数字を伸ばすかが注目されています。2009年の第1作「アバター」は北米初週興収7700万ドルを記録し、7週連続で首位を維持。最終的に北米で7億6000万ドル、全世界で29億2000万ドルを売り上げました。第2作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」も負けておらず、7週連続で首位を守り、北米で6億8800万ドル、全世界で23億ドルの興収を記録しています。
ディズニーは「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」の製作費に3億5000万ドル、宣伝費に約1億5000万ドルという巨額を投じており、キャメロン監督自身も、本作が採算ラインに達するには史上最高の興行収入を記録する必要があると発言しています。商業的な成功という意味では、必ずしも20億ドルの大台を超える必要はないものの、巨額の製作費を正当化するためには、興行収入の面で規格外の大ヒットとなることが求められています。
2位には、宗教系の作品を基盤とするエンジェル・スタジオによる聖書を題材にした新作アニメ「David(原題)」がランクイン。旧約聖書の「サムエル記」に登場する羊飼いの少年が巨人兵を石投げで倒した逸話で、「弱者が強敵を打ち破る」という比喩表現として有名なダビデとゴリアテの物語を子ども向けに描いています。公開初週末を興収2200万ドル超えで飾りました。
3位は、ライオンズゲートのシドニー・スウィーニーとアマンダ・セイフライド共演の新作サイコスリラー「The Housemaid(原題)」。公開初週で興収1900万ドルを売り上げ、好調なスタートを切りました。本作は、作家フリーダ・マクファデンのベストセラー小説を映画化したもので、前科者で金銭苦にあえぐミリー(スウィーニー)が、裕福な夫婦アンドリューとニナ(セイフライド)の豪邸で住み込み家政婦として働き始めるが、やがて夫婦の危険な秘密を知ることになるというサスペンス。満足度を出口調査するシネマスコアでは「B」評価となりましたが、観客の不安を煽るタイプの映画には珍しいことではなく、作品の価値を落とすものではないでしょう。
特筆すべきは、9位に入ったA24の卓球ドラマ「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」です。わずか6スクリーンの限定公開で、初週末興収87万5000ドルという驚異的な売り上げを記録しました。チケット売り上げは劇場1館あたり14万5933ドルに相当し、A24によれば、2016年製作の「ラ・ラ・ランド」以来の最高平均売り上げを更新しています。主演のティモシー・シャラメは、ニューヨークで行われた本作の上映会にサプライズで登場し、「これから4日間、すべての上映会に訪れます。96時間で128回登場しますね」と宣言。このプレスツアーが興収に大きく貢献したとみられています。
2025年12月22日更新 飯田沙野







