米俳優組合ストライキ終結に期待　人工知能に関する交渉で進展

2023年11月8日 12:00

ハリウッドの主要スタジオは、117日間におよぶ米俳優組合（SAG-AFTRA）のストライキを終結させるための契約合意に近づくなか、人工知能に関する文言を調整することで合意した。

米バラエティによれば、SAG-AFTRAの交渉担当者は11月6日の夜（現地時間）、業界団体Alliance of Motion Picture and Television Producers（AMPTP)の幹部と会談し、直近10日間の交渉で焦点となっていた人工知能（AI）に関する懸案事項をいくつか解決したようだ。

俳優が死亡した場合におけるAI利用の同意の扱い方など、ある種のAIの問題について共通の理解に達したと言われている。またAMPTPは、技術の進歩に伴い、次の交渉まで2年半にわたって会合を継続し、AIについて話し合うことを約束している。

AIに関する項目の他、SAG-AFTRAは動画配信時のインセンティブの配分についても取り組んでいる。各スタジオは、あるプラットフォームで最も視聴された番組のひとつに出演した場合、標準的なストリーミング配信の手取り額の100％のボーナスを俳優に与えることを提案している。

この提案には、最低料金の大幅な引き上げも含まれており、スタジオ側は過去40年間で最大の引き上げであるとしている。SAG-AFTRAが求めていた11％よりは低いが、AMPTPが脚本家組合や監督組合と合意した5％よりは高い。

SAG-AFTRAのダンカン・クラブツリー・アイルランドとAMPTPのキャロル・ロンバルディーニは7日にも会談を行う予定。映画の公開延期など多大な影響があるなか、長かった労使交渉に終止符が打たれることが期待されている。