80歳がパリス・ヒルトンをナンパ!「ヤング@ハート」監督に聞く
2008年11月7日 12:00
[映画.com ニュース] 平均年齢80歳のロックンロール・コーラス隊の姿を追った音楽ドキュメンタリー「ヤング@ハート」が間もなく公開。本作の監督を務めるスティーブン・ウォーカーが、先日開催された第21回東京国際映画祭での上映で来日を果たし、インタビューに応じた。
82年にアメリカ・マサチューセッツ州ノーサンプトンで誕生した“ヤング@ハート”は、アメリカ国内のほかヨーロッパ、オーストラリア、カナダでツアーを行うほどの人気コーラス隊。“やんちゃな年金生活者”と評されるメンバーたちは、年に1回行われるコンサートに向けて、ソニック・ユース、ザ・クラッシュ、ボブ・ディラン、トーキング・ヘッズのロックナンバーの練習を積み重ねていく。
約6週間にわたってヤング@ハートを密着取材した監督は、歌を愛し、精力的に練習に励むメンバーについて、「世間的には、いかに年を取らないようにするかを考えるものだけど、彼らはむしろ自分の年齢を祝福しているし、精神的にはとても若々しいんだ」と語り、「80歳になるメンバーのスティーブが今年のサンダンス映画祭に参加したんだけど、アフターパーティでアンジェリカ・ヒューストンとパリス・ヒルトンを口説いていたよ(笑)」と彼らの若々しさを実証するエピソードを明かした。
しかし、撮影を進めていく中でメンバー2人が亡くなるという悲劇が起こる。まったくの想定外の出来事で、監督も驚きと悲しみに暮れたそうだが、「こう言うと不謹慎かもしれないけど、死をアカデミックに描くのではなく、リアルなものとして映し出すことができたから、結果的により良い映画になったと感じているんだ」と話す。「彼らは毎日、死と向き合い、それを自然なこととして受け止めている。僕自身はまだ40代だからその境地には達してないけど、運よく彼らの年齢まで生きられたら、同じような心境でありたいと願うよ」
「ヤング@ハート」は11月8日より公開。