「ブッシュ暗殺」改め「大統領暗殺」監督が語るブッシュ大統領の秘密
2007年10月5日 12:00
[映画.com ニュース] “第43代米大統領、ジョージ・W・ブッシュ暗殺!”という衝撃的な設定で物議を呼んだドキュメンタリータッチのフィクション映画「大統領暗殺」がついに日本公開を迎える。本作のPRのために来日したガブリエル・レンジ監督にインタビューを行った。
本作は、アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュ暗殺後の世界の衝撃を、既存のニュース映像、インタビュー映像などを使ってリアリティたっぷりに描いた作品。多方面からのバッシングが予想される中で、本作の製作に踏み切った理由を聞くと「メディアの情報操作を警告するため」だという。「僕がこの映画で描きたかったのは、ブッシュ大統領の死後、世界は一体どうなっているんだろう、ということなんです。彼の行動をドキュメンタリースタイルの映像で見ることを通して、9・11以降の世界におけるメディアが果たしてきた役割、そしてメディアが現実をどう歪曲してきたかがよく伝わると思ったんです」
当初は「ブッシュ暗殺」という邦題だったが、映倫の審査に通らず、「大統領暗殺」というタイトルに変更された。主役ともいえるブッシュ大統領については、「この映画を作るに当たって何百時間もフッテージを見たり、実際に彼の映像も録りに行ったけど、その経験を通して感じたことは、“彼にはカリスマ性がある”ということです。普段私たちがニュースで目にするブッシュが話している10秒~15秒足らずのビデオでは分からない彼の魅力というものがあるんです。実際、生の観客を前にすると、彼は演説が上手い。何人かの政治ジャーナリストたちに話を聞いたところ、ブッシュは自分が過小評価されていることを知っていて、その評価を上手く利用しているといってました。これはかなり当たっていると思います」とブッシュの知られざる側面を明かしてくれた。
本作は現職のアメリカ大統領暗殺を描いてはいるが、アメリカ映画ではなくイギリス映画。「製作費は公共テレビ局のチャンネル4がすべてを出してくれた。もしアメリカで資金集めをしていたら、この映画が完成することはなかったでしょうね(笑)」
「大統領暗殺」は10月6日ロードショー。