コラム:田幸知有紗のハリウッドスター紳士録 - 第4回
2009年12月14日更新
第4回:“メル友”になった有名監督からの2年半にわたるラブレター
今回は、ハリウッド映画界のメル友を紹介します!
「真珠の耳飾りの少女」で知られるピーター・ウェーバー監督です。今回は、ピーターとの出会いからメル友になるまでの経緯や、彼とのやり取りなどをこっそりお話します。
出会いは、「ハンニバル・ライジング」の取材。会見中にピーターは、自分のカメラで記者の様子を撮り始めました。すると、記者席の最前列に座っている私にレンズが向けられたまま動きません。最初はカメラに向かってほほ笑んでみた私も、さすがに動揺。隣に座っていた番組プロデューサーに、「さっきから監督が私のことを撮っているみたいなんです」と打ち明けてみたところ……プロデューサーは「えっ(笑)? 田幸ちゃん、それは思い込みだよー」。
しかし、その後もやたらと視線を感じながら会見は終了。続いて行った単独インタビューでは、いたって普通の対応で、帰りぎわにアクセサリーをほめてくださったくらい。ところが! 翌日になってディレクターから電話があり、「ピーター監督から田幸ちゃんにご飯のお誘いがあると配給会社から電話があった。でも番組スタッフはだれも一緒に行けないんだよ」とのことで、結局お断りしました。
すると、さらに数日後、テレビ局にプレゼントが届き、中にはピーターのサイン付き「真珠の耳飾りの少女」のDVDやメッセージカード、そして連絡先が書かれた紙などが入っていました。ディレクターから、「手にわたった証拠に、DVDを持っている写真を監督に送ってね」と言われ、お礼のメールを送信してみたところ早速返信が到着。そこには、会見でピーターが撮った写真が! やはり何枚も撮っていたみたい。
それからメル友となり2年半が経過しました。といっても、メールの内容といえばお互いの仕事の近況報告や映画の話題が中心。ちなみに、先日はアマゾンから撮影現場の写真を数枚添付してくれました。
そしてあるとき、私は気付きました。いつも文の末尾に付いているXXXが、ピーターから私へのキスのバロメーターだということを。毎回メッセージの最後に違う数のXが付いてきます。
例えば、「君の写真をもっと送ってくれ」というメッセージが届いたのに、忙しさにかまけて1カ月以上も返信しないでいると、「君の写真を待っているんだけど!」というメッセージの最後にXがひとつ。逆に間を空けずに返信をしたときなどは3つに増えていたりします。さらに、「僕は君のことをいつも考えている。会いたい!」という恋人からも送られてきたことのないような熱いメールが届くことも。
それにしても何年にもわたって、たった一度の取材で会っただけの私にたくさんのメールや写真を送ってくださるのはとてもうれしいことです。しかし、紳士度を付けるとしたら☆。返信しないでいるとふてくされてみたり、リップサービスにしては過度な言葉も送られてくるので……。
次は、いつどんな作品を引っさげて来日されるのかはまだ分かりませんが、再会してお話しするのが今から楽しみです! そのときにはまた報告します。