コラム:田幸知有紗のハリウッドスター紳士録 - 第13回
2010年5月20日更新
第13回:非の打ちどころがない韓流スターの完ぺきな立ち居振る舞いに仰天
今回は大好きな韓流スターに注目します。
韓国映画界で、最も人気と実力を誇る俳優のひとりであるチョン・ウソンです。CMモデルとしてデビューした2年後に銀幕デビューを果たし、さらに10年後には日本でも広く知れわたり韓国映画界のスターとして不動の地位を築き上げました。
ブレイクのきっかけがドラマという韓流スターは多いのですが、ウソンは幼いころからの夢であった“映画俳優”にこだわりを持ち活動をしてきました。ウソンがアルツハイマーの妻を見守る夫役を熱演した「私の頭の中の消しゴム」(2005)は、私が今まで見た映画の中で1番泣いた作品です。あんなだんな様にあこがれます……。
インタビューをしたのは「グッド・バッド・ウィアード」(09)のプロモーションで来日のとき。
ウソンは186センチという長身なので、156センチの私はヒールの高い靴をはいても見上げるほど。さわやかなほほ笑みで迎えてくれました。自然体、澄んだキラキラとしたまなざし、そして冷静な口調で日本語も交えながら話してくれ、品があるのに決して固くないのです。まさに紳士という言葉にぴったりで、私を含む周囲の女性スタッフは、大人の男性の魅力にメロメロになってしまいました。
作品は、ウソン(役:良いやつ)、イ・ビョンホン(悪いやつ)、ソン・ガンホ(変なやつ)の人気俳優3人が主演を務めた迫力ある韓国ウエスタン。かなり激しいアクションもスタントを使わずに演じたことも話題を呼びました。
良いやつを演じたウソンに、役どころと実際の自分について聞いてみると「良いやつを演じられて良かったです。印象もいいですしね(笑)。脚本を最初に読んだときから、良いやつの人物像を気に入っていました。自分自身は良いやつだと思いますよ。物事を良い方に考える傾向がありますね」と自己分析。また、「西部劇のようなウエスタンの格好が、東洋人の私に着こなせるかというのもチャレンジでした。結果的にアジアならではのウエスタンを楽しんでもらえるようになったと思う」と胸を張っていました。
撮影時に手首を骨折しながらも、衣装のそでからギプスが見えてしまうのを避けて何も付けずにアクションシーンを続行したというエピソードには、並々ならぬ俳優魂を感じます。
インタビュー中、ディレクターが手持ちで撮っていたサブカメラにも意識を向け、こちらがリクエストしなくてもベストなタイミングで目線をくれたり手を振ってくれたりと、周囲への配慮も完ぺき。そんなウソンは映画監督を志望しているそうで、「主演は自分で、大勢の女性の中に男ひとりというストーリーもいいよね」とやんちゃな笑顔を垣間見させた。
これからも新たな経験を積むべく、韓国以外の映画にも出演したいそう。今後も韓国映画界の絶対的な存在でありつつ、グローバルな活躍をしていくことでしょう!
紳士度☆☆☆。