コラム:LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第6回
2010年5月19日更新
第6回:菅野美穂が「泣いたら金が逃げてくで!」を名言に挙げた理由
対談ゲスト:「パーマネント野ばら」菅野美穂
TBS「王様のブランチ」の映画コメンテーターとして人気のLiLiCoが、旬の俳優・女優から映画に対する思い、プライベートな素顔に至るまでを多角的に展開する対談連載「LiLiCoのHappy eiga ダイニング」。第6回のゲストは、「パーマネント野ばら」に主演した菅野美穂。西原理恵子の人気漫画を実写映画化した同作で、8年ぶりに主演に臨んだ菅野とLiLiCoが爆笑トークを展開した。
高知・宿毛を舞台に、小さな美容室「パーマネント野ばら」は女たちにとって退屈しのぎの“恋のザンゲ室”。菅野扮するなおこは、離婚をしてひとり娘・ももを連れて出戻り、夏木マリが演じた母まさ子とともに店を切り盛りしている。常連客の“パンチシスターズ”3人、小池栄子や池脇千鶴が扮した幼なじみともども男運には見放されているという設定だ。
LiLiCo(以下、リリコ):あまりにも面白くて、2回も見ちゃいました。最初に笑わせてもらって、最後にじんわりとくる作品ってなかなか珍しいから。
菅野美穂(以下、菅野):ありがとうございます! “迷言”がたくさんありますものね。
リリコ:(恋人役の)江口洋介さんとの共演シーンがすごく自然で、何であんなにうまくビーチサンダルが壊れてチュッとできるの!? 誰かのビーチサンダル、壊れてくれないかなって思っちゃいましたよ。身長差といい、もう最高でした。そういえば、主演は8年ぶりですよね。今回のオファーをもらって受けられた理由を教えてくれますか?
■パンチシスターズを演じたかった(菅野)
菅野:私も最初は8年ぶりって知らなかったんです。活字で見て、「そんなに開いちゃったんだ!」と思ったんですが、映画には色々と出演させていただいていたので、ちゃんと分かっていなかったんですね。最初にお話をいただいたときは西原さんの本を渡されて、「今度この作品を映画化します」って言われました。パンチパーマのお客さんとか、どの人もファンキーで個性的だし面白いなって。「どの役をやらせてもらえるのかな、パンチシスターズだったらいいな」って思っていたんです。そうしたら、なおこの役をやらせてもらえるということで光栄でしたけれど、ちょっと寂しかったですね。
リリコ:あはははは(爆笑)。
菅野:マネージャーさんもお見通しで、「そういう掛け合いに乗っていきたくなっちゃうのは分かりますけれど、そこは我慢のお芝居ですよ」って言われて、なるほど……、よく分かっているなあと思いましたね。
リリコ:現場はどうでした? すごく楽しそうなのが見ていて伝わってきましたが。
菅野:現場では吉田大八監督がはっきりとしたイメージを持たれたうえで演出をされていたので、アドリブというよりは決められた演出通りに演じましたね。撮影では、控え室で大阪から来ているパンチシスターズの方々がいらしたので、ずっと爆笑して笑い死ぬんじゃないかっていうくらい楽しかったです。小池栄子ちゃんや夏木さんは撮影が重なって東京との往復だったので、帰られるときは本当に寂しくて「帰らないで!」って言っていました。
■意外と凶暴な性格している(リリコ)
リリコ:みんな、役が見事にハマッていますよね。
菅野:栄子ちゃんと夏木さんのキャスティングを活字で見たときは、「なるほど!」ってひざを打っちゃいました。(小池が)だんなさんを車でひくシーンとか、私もやりたかったです。
リリコ:意外と凶暴な性格ですね(笑)。(小池の役は)すごく感情移入しやすいキャラクターですよね。
菅野:栄子ちゃんって東京出身なのに、ああいう情の女がぴったりはまっていましたね。
リリコ:高知での撮影だから色々なところへ行ったのでしょうけれども、プライベートではどんなお話をされていました?
菅野:やっぱり撮影の話が中心でしたね。あとは、パンチシスターズがずーっとしゃべってくださっていて、よくこれだけ自分の人生を面白く話せるなあと。無駄がないんですよ、しゃべること全てがオチになっていて。
リリコ:何かスピンオフを作ってもらいたいですよね(笑)。さて、この映画を語るにあたって、ダメな男が避けられないテーマになってきますが、菅野さんの周囲でダメな男っていますか?
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