コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第202回
2012年10月19日更新
第202回:iPhone 5をレポート! Passbookの魅力とは
iPhone 5を使いはじめてから、そろそろ1カ月が経過しようとしている。はじめは衝撃を受けたその軽さにはあいにく慣れてしまったけれど、通信速度の速さにはいまだに感激している。アメリカでLTEの範囲が圧倒的に広いことで知られるベライゾンにキャリアを変更したこともあいまって、どこでもWi-Fi環境にいるような快適さだ。この間、僕はハワイのオアフ島&マウイ島、それにニューヨークに旅行しているけれど、速度が遅くなることはあっても、3G接続になったことは数えるほどしかない。ニューヨークの地下鉄と、オアフ島のワイメア・バレー公園のような山奥では電波が届かなかったけれど、これをキャリアのせいにするのは可哀想だろう。
通信速度が速いと、テザリングも快適だ。僕が仕事場としているのは、無料でWi-Fi接続ができる場所ばかりなのだけど、iPhoneがホットスポットとして十分すぎるほど優秀になったおかげで、行動範囲が広がった。カメラは素晴らしいし、パノラマ機能も楽しい。例の地図アプリの問題を除けば、すべてに満足している。
iPhoneに関して、僕がもっとも可能性を感じているのは、Passbookだ。航空会社や薬局、映画館などのアプリが発行する航空券や商品券、鑑賞券などを一括管理できる優れものだが、iOS 6のリリース時には対応アプリが少なかった。ところがつい最近、スターバックスのアプリが対応したのだ。アメリカのスタバにはカード会員向けの特典プログラムがあって、12回買い物をすると、ドリンクかフードがひとつタダになる(今年10月に改正された新ルール。以前は15回につきドリンク1杯だった)。あちこちのスタバを仕事場にしている僕はもちろんその恩恵を享受しているが、これまではスタバのアプリは利用していなかった。レジで清算するたびに、iPhoneのロックを解除して、スタバのアプリを起動して、バーコード画面を表示させるのが面倒だったからだ。でも、Passbookに対応してくれたおかげでぐんと便利になった。お気に入りの店舗を登録しておけば、位置情報をもとにiPhoneのロック画面に自動表示させることもできる。
先週末、コミコン取材でニューヨークに行った際も、空港でのチェックインはもちろん、ドラッグストアやスタバでPassbookを活用した。これから対応アプリもぐんと増えるだろうから、ますますiPhoneが欠かせない存在となりそうだ。
筆者紹介
小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を運営するゴールデングローブ協会に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開された。ブログ「STOLEN MOMENTS」では、最新のハリウッド映画やお気に入りの海外ドラマ、取材の裏話などを紹介。
Twitter:@miraikonishi