三体のドラマレビュー・感想・評価
異常に間延びしたインデペンデンス・デイ
原作未読者には異常に間延びした『インデペンデンス・デイ』に見えてしまう可能性がある。少なくとも自分にはそう見えた。映画尺で十分描写出来る内容を8話にまで引き延ばし、科学者たちの陳腐なホームドラマを大量投入しましたという感じ。この科学者たちの会話劇が曲者で、知的な刺激を得られる内容でもない上に、物語上の意義が不明瞭である事が多い。それでいて尺の大部分を占めている。脚本の俗さ、くだらなさに反するように終始深遠でシリアスな雰囲気の演出も滑っている。例えば、登場人物がちょっと散歩に出掛ける、言葉少なに風景を数分間眺める、ディナーにみんなを誘おうという結論で終わる・・・というような肩透かしのシーンが多過ぎる。制作陣はまだ視聴者に重要性も魅力も伝わっていない登場人物のプライベート映像(何故かずっと遠い目をしている)に誰が興味を持つのか考えてほしい
メタな視点に立てば、カメラに映る時間が長いんだからこの人物は重要に違いないと想像もできる。難しいからという理由でオミットされているだけで科学者たちは本当は科学的考証を語るんだろうなというのもわかる。しかしこの作品はそうなってない
映像はゴージャスで、文革、VR、複数の作戦などは見せ場としてきちんと機能していたと思う。しかし私は『Game of Thrones』の終盤に感じたものと同じような失望を、この『三体』にも感じてしまった。S2は評判がよほど好転しない限り見ないと思う。
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