御上先生のドラマレビュー・感想・評価
近来になくレベルの高いドラマ
最近、NHK「東京サラダボウル」などレベルの高いドラマがあるけど、このドラマもかなりレベル高いドラマだった。
Netflixに太刀打ちできるのは、やっぱりNHKとTBSの日曜劇場しかないかな、と思ってしまう。(特に最近の他の民放のドラマは酷い)
日曜劇場は金のかけ方も違う。今回の教室のセットは、教室内の他にその周辺の廊下や通じる吹き抜けなどまでも丸ごと作っているよう。
それに、学園ドラマなので、役者も多数出てくる。それもレベルが高い。
「おかえりモネ」の蒔田彩珠、映画「Cloud クラウド」の奥平大兼や、今度朝ドラの主演する髙石あかりなど。(彼女がラストに素晴らしい演技をする!)
カメラもいつもと違い、フィルムライクで青みが強い。で、顔に影が出ても気にしない。イーストウッドの映画や最近のリアルな内容の映画の雰囲気に近い。多分意識していると思う。
話は、日曜劇場がいつもやる「ミスリード」的。
「永田町と霞ヶ関、そして(今回の舞台である)麟徳(高校)との癒着した関係が闇の仲人によって育まれ、ひとりの罪のない若者が刺殺されるまでの、誰も想像しなかったバタフライエフェクトの物語」=<ドラマでの御上先生のせりふ。カッコ内の言葉は私が捕捉>
一話冒頭で、国家公務員試験の試験会場で受験生が刺殺されるという事件から始まる。
それが、舞台となる学園と一見関係ないように見えて実は…。
永田町と霞ヶ関を巻き込んで、教育現場の不正を正し、教育の理想を謳うもので、ドラマの雰囲気は、マイケル・サンデルの白熱教室のような感じ。
生徒自ら考えさせ、答えの出ない質問を考え続けることの重要さを教える。そして生き続けることを教える。
一見、権力の腐敗の不正を正すことが目的のドラマに見えて、実は教育の本質に言及している点がいい。
脚本は、詩森ろばという人。映画の「新聞記者」の脚本を書いたひとり。これから売れっ子になると思う。
(今回は、なんとかミスリードにしなかった。これも脚本家の力と思う)
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