十角館の殺人のドラマレビュー・感想・評価
実写化不可能を突破するパワープレイ
原作を読んでいれば何故「実写化が不可能」なのかはハッキリしていて、そこを突破するためにあまりにも不自然で、こなすべき体裁を投げ捨てるというパワープレイをかましている…
と感じたのだけど、一緒に視聴していた人は特に分からなかったようなのでまぁその点は良かったのかもしれない。
多少フェアじゃないとは感じるものの、前髪など暗示するシーンを盛り込んでフェアネスに努める姿勢も感じられたのは良い点だった。
Anotherみたいなことにならなくて本当に良かったと思う。
原作からして、全体的にシャーロック・ホームズを彷彿とさせるどこか他人事かのような空気感をまとっていたので、江南が感情を出して嘆くシーンが意外と感じさせるものだった。
もう少し探偵役の2人に情緒的な要素を含めて、彼らも人よりも好奇心が強いだけでただの人であるという感覚が欲しかったとは思った。
守須から「踏み込み過ぎだ」と諌められたシーンもあるため、彼らがの行動原理がかなり奇抜目に映る、というのもあるとは思う。
色々言ってはいるけど、実写化としてはそれなりに無難~良作であると感じる。
実写化の難題を突破するためのパワープレイがある種ヒントにもなりうるなど、その効果も面白さがある。
一方で、原作読了済みであれば「難題解消」のギミックはすぐに見極められるので2話以降の視聴の必要は感じられないというミもフタもない気持ちもある。
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