イクサガミのドラマレビュー・感想・評価
世界よ、これが日本の時代劇だ
Netflixで視聴。
原作シリーズは読了済み。
キャラの再現度がかなり高いことに驚いた。原作からそのまま飛び出して来たみたいな存在感を放っていた。アクションの激しさもハンパない。なんだこのスピード感と迫力は。殺陣がいちいちカッコいいからたまらない。第6話のクライマックス、嵯峨愁二郎と貫地谷無骨の、花火の打ち上げ場での戦いは、キメのカッコ良さと火花が煌めく画づくりの斬新さにやられる名シーンだ。決着の瞬間の「椿三十郎」オマージュには何故かグッと来た。
近年、真田広之主演の「SHOGUN 将軍」のおかげで時代劇の素晴らしさが世界に発信されたと思うが、同作はあくまでもハリウッド製作だ。
日本発の時代劇の面白さが、つくり手の底力が、世界に向けて発信される喜びを禁じ得ない。これは絶好の機会だろう。世界よ、これが日本の時代劇だと胸を張って言える力作ドラマだと思う。
岡田准一のアクションの素晴らしさは言わずもがなで、他のキャストも「業界で動ける面子全員集めて来ました」と云う感じである。
演技に関しては、衣笠彩八役の清原果耶と岡部幻刀斎役の阿部寛が出色だ。原作のキャラクターのイメージをしっかりと守っている。
原作を読んでいるだけに、今回の映像化に際してとても楽しみにしていたことがある。京八流の特殊能力や岡部幻刀斎の描写、である。
この能力がとても多彩で、超人同士の死闘に手に汗握るし、京八流の兄弟の能力継承がドラマのアクセントとなって物語を盛り上げていく。
ところが、この能力の描写がまるごと割愛されていたのである。幻刀斎のそれも同様だ。
異能を駆使した激しいバトルは文字で読んでもド迫力なのに、映像化されたらどんなにすごいものになるのだろうと期待していたのに⋯
その醍醐味を全く割愛してしまうとは思いも寄らなかったので呆然とした。第二章で描かれるのか。可能性は低そうだが期待して待ちたいと思う。
[視聴記録]
2025/11/13:シーズン1 #1~4
2025/11/14:シーズン1 #5
2025/11/15:シーズン1 #6(終)
