ちはやふる めぐりのドラマレビュー・感想・評価
青春をかける意義って何?
主人公像がユニークだ。高校時代から、バイトに明け暮れ、稼いだお金は投資に回す。目指すは早期リタイア(FIRE)。部活動はタイパが悪いとやる意味がわからないと平然と言う。そんな主人公を据えて、そもそも部活に情熱を燃やす意義とは何か自体を問う物語となっている。
そんな主人公と対になるのが、かるた部の顧問になっている大江奏だ。臨時教師という立場で高校の頃に思い描いたなりたい自分になれていない自分が、生徒に情熱を持つことを教えられるのか、と葛藤する。部活に打ち込むことが無駄じゃないことを証明するには、その先、大人になった時にその経験がどう活きているのか、証明する必要がある。そんな姿を生徒に見せようと頑張る決意をする。生徒のドラマでもあり、教師のドラマでもあるのが本作の特徴だ。
部活は高校を卒業すれば辞めてしまう人が大半で、それを一生の職業にできる人はほんの一握りだ。だからと言って無駄なのか、無駄じゃないとすれば、何が残るのか、そんなことを問いかける内容になっているのが面白い。
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