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ドラマレビュー

3.0テレビ報道のあり方を問う

杉本穂高さん
2025年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

阿部寛がニュースキャスター役なので、少し前に公開された映画『ショウタイムセブン』と地続きの世界に見えるが、もちろん両者は関係ない。こちらのテレビドラマで阿部寛が演じるのは、破天荒な性格で民放のニュース番組を「ぶっ壊す」と息まく型破りなニュースキャスター。
テーマとしては、テレビの報道のあり方を問うようなもので、週刊誌の後追い、コンプライスやしがらみの多い関係を気にするばかりで自ら調査報道することができなくなっている民放のテレビ局に対して、そういう一切を気にせずにばんばん独自調査を危うい方法でしていく阿部寛を描く。しかし、政治家と裏取引して報道内容を勝手に捻じ曲げるなど、不可解な行動も目立ち、彼の本当の目的は何かが、ミステリーのポイントとして展開していく。
心臓発作で倒れた官房長官を「俺が殺すまで死なせない」と救うシーンが第一話の最初の方に提示される。その彼の行動の真意を探ろうと、バラエティから異動してきたディレクターの永野芽郁が警戒しつつも、阿部寛の剛腕に感化されていく。
テレビ報道の今を描く作品は、今期は日本テレビの『恋と闇』もある。テレビ作品によるテレビ報道のあり方を問う2作品として、比較してみるのも面白いと思う。

杉本穂高
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