エイリアン アースのドラマレビュー・感想・評価
目新しさのないよくあるSFドラマシリーズ
エイリアンがドラマシリーズになるという情報を知った時には、エイリアンというキャラクターにまだまだこんなポテンシャルがあるとは思わなかった。
先行して公開された「エイリアン ロムルス」も、リドリー・スコット監督が始めた独自のエイリアン神話的な「プロメテウス」路線ではなくリブート的な扱いだったし、リプリーに変わる新たな主人公を作っていくような意気込みを感じた。
本作の主人公もビジュアルも内面も含めどことなく「エイリアン ロムルス」に似た主人公像だと感じた。
ディズニー配給ということを前面に出したウェンディというネーミングやピーターパン要素をエイリアンに持ち込むというのは斬新に感じた。
ただし、"アース"であることの面白さや新しさは何も感じられなかった。
中々"ワールド"になれない「ジュラシック・ワールド」シリーズのように結局は島や施設の中という閉じた世界観になっていることにフラストレーションが溜まった。
「エイリアン」シリーズの宇宙船の中という空間は逃げ場がないという絶望的な状況を作り出すことに大いに貢献していたし、腹を突き破る、床を溶かして追ってくるといった人や施設の内臓を突き破ってくるようなグロテスクさがとても印象的なシリーズであった。
本作はブレードランナーの世界線から来たかのようなキャラや、終盤の「プレデター」オマージュなどファンへの目配せがチラつくが、そんなことよりも宣伝文句にもある"かつて宇宙は安全だった"を感じられる絶望感を見せて欲しかった。
まだシーズン1ということだが、個人的には昔フィギュア化ではあった動物をモチーフにしたエイリアンなど、地球ならではの進化を遂げたエイリアンのビジュアルが観れるといいなぁー。「猿の惑星」的にエイリアンに侵略された地球に戻ってきた宇宙船のクルーを主人公にした話など、色々妄想をしました。

 
  