アドレセンスのドラマレビュー・感想・評価
絵文字は英語でもemojiだった
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全4話。事件の翌日から13か月後までの物語。
まだあどけなさが残る少年が突如殺人容疑で逮捕。僕じゃないと泣き叫ぶ我が子を見れば、両親は我が子を信じたくなるだろう。
1話と2話では13歳のジェイミーを2人の担当刑事が逮捕し、周辺捜査をする様子が描かれ、3話では女性法廷心理学者とジェイミーの会話劇、最終話は13か月後のジェイミーの家族の様子が描かれる。大人たちが知らない(私も知らなかった)青少年の秘め事というか、SNSでは絵文字が隠語のような使い方をされているのだとか。
それぞれの話ごとにワンカットで描かれていること、被害者についてはほとんど描かれず、ジェイミー中心にストーリーが展開することで回答のないドキュメンタリーを見ているような気分に陥る。そしてジェイミーというのが一筋縄では行かない。まだいたいけない子どもかと思えば、突如怒りを爆発させたり、年上の法廷心理学者に愛を告白したりする。13歳と言えば自分探し、自己嫌悪、異性への関心などが混在するお年頃。アドレセンス=思春期を描いたお話なんだろうが、最後まで誰がどういう思いでいるのか、描き方が客観的すぎて曖昧なまま終わってしまうので(何となく想像はできるのだが)、製作者は起承転結をあまり意識していないように思える。見終わってすっきり納得する映画ではない。我が子という自分の分身が、生物学的には分身とは言え、やっぱり他人の始まりという恐怖が後に残った。