ウェンズデーのドラマレビュー・感想・評価
ティム・バートンとウェンズデー・アダムスと奇妙なのけ者学園
90年代の実写映画版や最近のアニメーション映画でもお馴染み。
ユニークなおばけ一家のアダムス・ファミリー。
中でもひと際インパクト放つのが、長女のウェンズデー。
一切何事にも動じず、終始無表情でクール。皮肉屋で毒舌家。
そんな彼女を主役にした、Netflix配信のスピンオフ・ドラマシリーズ。
映画などでは少女~思春期辺りの設定だが、本作ではズバリ、ティーン。
青春や恋にキャピキャピする年頃だが、このダーク少女は一切興味ナシ。
我が道を行く。それ故家でも学校でも問題児。
学校で弟をいじめたアホどもに(弟をいじめていいのはアタシ!)、プールに“アレ”を放つ!
学校は退学。そこで両親は、昔通っていた母校に転校させる。
両親との関係もぎくしゃく。特に母親がウザい。
両親みたいになるもんですか。
跳ねっ返りのまま転校したのは…
ネヴァーモア学園。
人狼やセイレーンなど人間じゃない“のけ者”が通う。
ここでも全くブレないウェンズデーは、母親と親しい校長先生からマーク。
入学早々からトラブルを起こし、ウェンズデーの奇妙な学園生活が始まる…。
映画版はちょっと不気味なファンタジー・コメディだが、本作はダーク・ファンタジー×ブラック・ユーモアに、青春学園ストーリー、サスペンス・ミステリー。
森の中で謎のバケモノによる連続猟奇殺人事件が発生。
町の人や生徒にも犠牲者が…。
ウェンズデーは謎の調査を始めるが、背景には町=人間と学校=のけ者の因縁、自身の一族にも関わる過去が…。
メインディレクターはティム・バートン。音楽は名コンビのダニー・エルフマン。
『ダンボ』が失敗して以来音沙汰無かったが、これぞ!…とでも言うべきバートン・ワールドが全開。
ダークな映像美、ゴシック調の美術。
のけ者扱いされている者たち。その悲哀や個性を、バートンならではの眼差しで描く。
何より、ティム・バートン×『アダムス・ファミリー』。ぴったりではないか!
寮生活で、ミステリー×ファンタジー。もしバートンが『ハリポタ』を手掛けていたら…な雰囲気。
バートン印のダーク・ファンタジーやミステリー展開が見ものだが、意外や普遍的な青春ストーリーとしても見れる。
一切人を寄せ付けないウェンズデー。
そんな彼女に出来たルームメイト。はてさて、友達って言っていいのかな…?
何かとライバル視する優等生女子。
町のカフェでバイトする人間の青年。ウェンズデーに淡い恋心を…。
生徒一人一人や青春劇、一匹おばけ娘ウェンズデーの他人との関わりや変化にも注目。
対人関係には大いに問題ありだが、成績は優秀。スポーツや男子相手の喧嘩も負けやしない。
一応学園生活。ボートレース、町との交流会、チェロ演奏、ダンスなどなど、学校行事も(嫌々だが)そつなくこなす。
目下の所の彼女の関心は、謎の殺人事件。抜群の推理力で少しずつ核心に近付いていく…。
オールマイティーなウェンズデー無双!
映画ではクリスティナ・リッチのハマり役だったが、本作のジェナ・オルテガのハマりっぷりも見事!
『スクリーム(2022)』や『X エックス』などで注目を集める新進女優。
クールでダーク。その分、美少女っぷりが映える。時折キュートさも見え隠れ。
主にホラーなどで一癖ある役が定着しつつあるが、今後の活躍から目が離せない!
今回ウェンズデーが主役とは言え、ファミリーも勿論登場。母親役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズはアンジェリカ・ヒューストンにも見劣りしないインパクト。
お馴染みの“ハンド”も活躍。と言うか、ウェンズデーに散々こき使われて…。
映画版でウェンズデー役だったクリスティナ・リッチも学校の先生役で出演。
新旧ファンで楽しめる。
謎が謎を呼ぶ展開はミステリーの醍醐味充分。
バートンならではの世界観。
ウェンズデーと演じたジェナ・オルテガの魅力もたっぷり!
全く新しい『アダムス・ファミリー』で、誰もが納得のティム・バートン作品。
Netflixだから本人の自由に出来たのだろうけど、正直Netflixドラマなのが惜しいくらい。
視聴回数も良く、ゴールデン・グローブ賞(TVドラマ部門)にもノミネート。好評から映画化とかされないかしら…?
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