ホワイトカラーのドラマレビュー・感想・評価
ニールのいるNYに雨は降らない
まぁ実は一回だけ雨の中で事件が起きて止んだ後捜査が始まるシーンあるけど。
それでも、ニール・キャフリーとピーター・パークがそぞろ歩くニューヨークには、雪どころか毛皮コート必須の真冬も消火栓壊して水浴びしたい真夏も訪れない。歩いてスーツ、闘いや必死の脱出もシャツ姿でちょうど汗も出ない晴れた春?の日しか来ません。が、それがいい。ニール、ピーター、モジーならず他の魅力的な脇役もいつも全然変わらずそれぞれクールに登場します、なんでもリアルにできる・求められる2010年代の先進ドラマで。
もちろん時々主人公ほかキャラクターの無理な執着や経歴で話しを引っ張っていく所や多少ご都合主義的な設定・結末もありますが、それもまた良い‥。
結局、私はこのドラマの醸し出す変わらない雰囲気や、信用できないが信頼している二人やその他とのバディ感覚、基底にある良心の存在が好きなんです。
他の多くの人気延長ドラマのように、中期シーズンに至って黒幕や主人公周りの基本環境果ては主人公そのものが大幅に変わって視聴率を求めるアメーバの如く物語が自在に拡大・変形し過ぎることなく、公式:キャフリーの死(ただし心の中では誰もそう思っていない)で締めたのは良いことでした。一ファンとしてはS6では足らずもっと見たかったし、「ホワイトカラー花の都(死語)パリ編 」とかでロンドンのサラ・エリスを救出してまた最終的に結ばれるなどスピンオフでも良いから見たかった。
ただジューン役のダイアン・キャロル、そしてモジーのウィリー・ガーソンを失ったのは大きかった。それ以前に主演のマット・ボマーがカミングアウトし、たとえ追加作が決まっても「イケメンマッチョの“美女好き”チャラ男」の建前イメージが持てないのはキツイかなーとかいう私観などどうでもよくなりました。
本作はそれまであまり興味もなかった、いかにもアメリカっぽいマッチョ優男な若手役者と、地方の警官や一話で捕まる悪役での出演が主のドラマ俳優が実質的ダブル主役を組む本作は、私にとってとても爽快な新感覚でした。その後二人の活躍が海を超えてくる作品にあまり見られないのは残念です。
とまれ、今でも時折りVPN駆使して配信を再見しております。私の中ではBurn Noticeと並んで永遠のお気に入りの一つです。