東京サラダボウル 国際捜査事件簿のドラマレビュー・感想・評価
現代東京のリアル
漫画原作の実写化は色々言われるが、これは実写化する意義のとても高い作品だと思う。本作は、東新宿署の外国人絡みの犯罪を主に扱う部署で働く刑事と通訳人の物語だ。すでに東京で外国人を見ない日はない。多くの人種、異なる国籍と文化背景を持った人々が共存している「人種のサラダボウル」となっている街なのだ。
この作品は、そんな東京の今の重要な側面を映し出している。それも、実際に歌舞伎町や新大久保などのロケ地で撮影していて、これが今の東京の姿だという説得力にあふれている。
キャストも外国人を多数起用していて、複数の言語が飛び交う空間が描かれる。これも今の東京のリアルを反映している。ドラマでも映画でも日本国内が舞台の作品で、外国人が出てくる作品が少ないが、それはやはり重要な今の日本のリアルを映しそこねていると思う。日本はいかに外国出身の人々と共存していくのか、その課題に真摯に取り組んでいる良作だ。
移民それぞれに顔があり、人生がある!
シナリオと演出と役者、それに製作陣、新宿ロケが素晴らしい。映像のリアル感を大切にしていた。役者がそれぞれの国の役者を使っていて、とてもリアル。
で、この話は、このリアルさがなければ絵空事になってしまう。確かにフィクションだが、ちゃんと日本の東京の、特に新宿の「今」をしっかりと捉えていると思う。
移民が多くなり、ただ単に排除だの受け入れだのという話はあるが、それぞれに顔があり、人生があることを切実に描いている。
でキャラが愛おしい。
奈緒は売れているけど、またいいキャラを作ってくれたと思う。
松田龍平とのコンビをまた見たい。
それに後半出て来た三上博史の存在感と苦悩もなかなか見応えがあった。
(頸動脈を抑えるとは!)
視点はユニーク
レタス頭と呼ばれる緑色の髪に染めた新宿署国際捜査係の刑事鴻田麻里と同じく警察の中国語通訳有木野了の勝手バディもの、新宿の国際捜査係なんて部署のことは知らなかったのでユニークな視点での刑事ものでした。外国人犯罪と言えば都会より田舎が多いと思っていました、太陽光発電の電線被害や果物窃盗はニュースでよく聞く、最近では闇バイト関係の実行犯も増えているようですね。本作は中国語のシーンが多く外国人に同情的なので香港映画を観ているような気分にさせられます。まあ、原作が漫画なので致し方ないですが主人公の刑事とは思えぬ突飛な風貌とサソリとか牛のペニスとかゲテモノ好きには閉口しました。奇をてらった映画ですね。
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