クイーンズ・ギャンビットのドラマレビュー・感想・評価
Netflixオリジナル史上に残る秀作ドラマ。
各所で絶賛された、配信ドラマのリミテッドシリーズ。(このシーズンで完結のドラマ)
チェスに魅入られた少女が、男社会の時代の中、並いる強敵たちを打ち負かし、
もっと上へ、もっと上へと歩みを進めていく。
勘のいい人は分かると思うが、非常に少年漫画的なストーリーである。
同時にダーティかつアダルティな要素も孕んでいる。
天才ゆえの孤独と苦しみ。才能と代償をテーマに、
女性が生きづらい男尊女卑の時代、依存症の恐ろしさ、
更には黒人差別、同性愛を匂わせる描写もあり、変に説教くさく描いていないのがまた絶妙だ。
また、二次性徴、思春期の生々しい描写を入れる事で、
あくまで一人の少女が大人になるまでを描いているところも面白い。
夢破れて去り行く者の姿も描いている所が切なく、
でもやっぱりチェスが大好きなんだと言う事を表すクライマックスが最高。
友情、仲間という、下手すると青臭くなりがちなテーマを、これだけ感動的に描いてみせているのは見事と言う他ない。
一見、淡々と黙ってチェス勝負をしているだけに思えるが、コトッ…コトッ…と、チェスを置く乾いた音が繰り返される中で、
その実は見えない応酬が連続し、凄まじい心理戦の火花を散らしている。
なお、恐らく懸念している人が多いと思れる、チェスのルールが分からないとついていけないのでは?という事に関して。
もちろん知っているに越したことはないが、結論から言って、全く問題ない。
チェスどころか将棋すらも知らない物知らずの小生が言うのだから間違いない。
人物の表情、チェスを動かす手の動き、そして音楽の演出で、
優勢なのか、劣勢なのかがちゃんと分かるようになっている。
ルックも抜群に格好良かったし、
寧ろ下手な映画以上に撮影のクオリティは高かった。
合計 約400分(6時間40分)の作品。
好評も頷ける。確かに面白かった。
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