ペリフェラル 接続された未来のドラマレビュー・感想・評価

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採点

3.5多数のモチーフが錯綜して意味不明ながら群像ドラマとしていい出来

徒然草枕さん
2022年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

見始めてすぐ、ヒロインがヴァーチャル・リアリティ・ゲームの天才プレーヤーであると紹介される。彼女は新作ゲームのモニターとなるのだが、いざ始めてみると異様に現実感のあるゲーム世界に圧倒されてしまう。しかし、実はそれは未来のロンドンだった。そこでのアカウントは量子トンネルを通じた遠隔操作のアバターで表れる…。

出だしからどこかで聞いたようなSFモチーフが多数、しかも複合的に錯綜して登場するので、面食らってしまう。第一シーズンに出てくるものには、次のようなものがある。
1)ヴァーチャル・リアリティ・ゲーム
2)タイムトリップ
3)アバター=ペリフェラル
4)世界線=パラレルワールド、スタブ
5)終末の日=ジャックポット(エヴァンゲリヲンの「インパクト」)
6)治安維持組織と資本家組織、研究組織等の多元権力社会
7)未来兵器を使った人造人間同士のバトル(モレッツの「ヒットガール」)
他にもあるのかもしれないが、小生にはわからなかったw いずれにしろ一つ一つを呑み込むのに観客は腹いっぱいになってしまう。

この意味不明な枠組みの中で、現実世界と未来世界、人間とペリフェラル双方で多数の登場人物がさまざまな人間ドラマと謀略を展開する――というのが作品の骨組みである。

この登場キャラがなかなか魅力的で、殺し屋ボブ、ロービア警部補、ヌーランド博士など、個々の人柄、言動に惹きつけられる。これらが本作の面白さの中心だ。
前述のように世界の構造そのものが意味不明なため、残念ながら彼らが何をしているのか十分に分からないのだが、8話までの時点では面白さが意味不明さを上回っている。

ただ、ヒロインの脳にダウンロードされた研究機関のデータにどれほどの意味があるか分からないし、新しいスタブに遷移してしまうと、個々のキャラやドラマの意味が希薄化するのではないかという気がかりは残る。

徒然草枕
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