Lの世界 シーズン1 : インタビュー
「Lの世界」の注目キャスト3人、ジェニファー・ビールス、キャサリン・メーニッヒ、ミア・カーシュナーと製作総指揮のアイリーン・チェイケンへ直撃インタビュー。
ストレートの人たちにもウケたのはストーリーの普遍性
■アイリーン・チェイケン(製作総指揮)
――あなた自身の体験がベースになって、このドラマが生まれたと聞いています。それはどんな形で、ストーリーやキャラクターに投影されているのでしょう。
「私の人生や生きてきた世界を反映しているのは確かだけど、自伝的ドラマではないの。もう番組が始まって5年もたつので、私に似ているキャラクターをひとり挙げるのは難かしいわね。でも番組がスタートした頃は“ベットは今の私で、ジェニーはずっと若かった頃の私”と言っていました」
――番組を作ろうと決意する、なにか具体的な出来事があったのですか。
「長年付き合ってきたロサンゼルスのレズビアンたちを見ていて“そろそろこういうストーリーをTVで見てもいいんじゃないの?”と思ったのが始まり。でもレズビアンの群像ドラマが簡単に作れるとは考えられなかった。まず2000年にロサンゼルス・マガジンに特集記事を書き、その雑誌を持ってケーブルTV局のショウタイムに売り込んだわけなの。すごく長いプロセスでしょ」
――ゲイのドラマとレズビアンのドラマの違いについて、どう考えますか?
「レズビアンのドラマの方が少しばかり見やすいし共感を呼びやすいかもしれない。世間の人たちはレズビアンよりもゲイの男性に脅威を感じるらしいので。『Lの世界』は女性の物語ということが、視聴者をひきつける要素のひとつになったと思います」
――番組が始まると大きな話題になりましたが、ストレートの人たちに受けたのはどんなところだと思いますか。
「ストーリーに普遍性があるからでしょう。これは恋愛関係を描いていますが、レズビアンにせよストレートにせよ、恋愛について話したり、付き合ったり、別れたり、家庭を築いたりする番組は、それほど多くはないのです。もうひとつの理由は、レズビアンの人たちの生活や意見がまだ知られていないことです。見ている人たちは自分たちが知らないことや、なじみのないライフスタイルを教えてほしいと期待しているのです」
(おかむら良)