北極星のドラマレビュー・感想・評価

壮大な政治サスペンスとロマンスが融合した傑作エンタメ。

物語は、優秀な外交官ソ・ムンジュ（チョン・ジヒョン）が、大統領候補だった夫を目の前で暗殺されるところから始まる。夫の死の背後に、核問題を巡る韓国、北朝鮮、アメリカの三国間の陰謀と、朝鮮半島を巻き込む戦争の危機が迫っていることを知った彼女は、夫の遺志を継ぎ自ら大統領選に出馬することを決意する。

そんなムンジュを謎の男ペク・サンホ（カン・ドンウォン）が護衛する。彼の圧倒的なアクションと、危機的状況の中で次第に惹かれ合う二人のロマンスが、戦争回避のサスペンスと対を成す物語のもう一つの大きな柱となっている。『親切なクムジャさん』や『別れる決心』の脚本家チョン・ソギョンと『涙の女王』の監督がタッグを組み、理知的で勇敢な主人公を生み出し、脇を固める女性キャラクターも芯が光る。韓国の政治的実情を巧みにエンターテインメントへ昇華させ、息もつかせぬ展開で視聴者を魅了する一作だ。