ピースメイカーのドラマレビュー・感想・評価
シーズン2の消費される蔑称に嫌悪感
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シーズン1ではスーサイド・スクワッドからピースメイカーというキャラクターをさらに掘り下げ、彼が育ってきた環境やトラウマなどで人格が形成された経緯を語り、その周囲に個性的な仲間ができる過程をシリアス過ぎず、コメディ過ぎずにバランスの良い出来であったと思う。
その続編に位置するシーズン2だが、前作同様スーサイドからの掘り下げや、新たにスーパーマンとの関連性を持たせ、ストーリーラインの強化を図ったのは良いと思う。
しかし、それらのストーリーとは無関係の部分でジェームズ・ガンスタイルが悪影響を及ぼしているように思える。
ハンディキャップや世間的に弱い立場の人間を蔑称するようなキャラクターに対し、無知と偏見を風刺するような語り口をガンは上手くやってくれているとこれまでの作品を観て思っていた。
シーズン2では特に顕著にそのような部分があるのだが、それらは風刺にはなっておらず、ストーリーとは無関係である。
セリフ回しが幼いとか行動がバカっぽいというのはキャラクターの一部として愛される部分ではあるが、国籍、人種、人格をイジるというのは万人にはウケないだろう。
またこれらのセリフが、バックストーリーのよくわかっているキャラクターから発せられるものならキャラクターの個性だと受け入れられるのだが、メインキャラクター不在のシーンでもそのようなシーンがある。それは本作が全編ガンによる脚本の為、制作者の倫理感として悪い印象に見えてしまう。
それらをしてまでもラストに向けて伏線として回収をしてくれるのを期待をしていたが、それは無く、ただの消費されるための蔑称として扱われてしまっている。
