LOST シーズン4 : 特集

 シーズン4から「LOST」に新たな楽しみが加わった。これまでは島で進行する現在のドラマと登場人物の過去(フラッシュバック)が並行して描かれる構成だったが、シーズン3の最終話からはキャラクターたちの未来を描くフラッシュフォワードが導入されており、シーズン4を通じて登場する。フラッシュフォワードで描かれるのは島を脱出した人々を待ち受けている奇怪な未来であり、視聴者は現在のドラマとの空白期間を推理しながら、ドラマを楽しむことになる。

 これからシーズン4を鑑賞するにあたり、注目すべき謎を4つまとめてみた。

 最大の謎は、誰が島から救出されるのか、ということだろう。シーズン3でジャックとケイトはアメリカ本土で確認されており、シーズン4第1話のフラッシュフォワードではハーリーも未来に登場している。ハーリーが「オーシャニック6」の1人とメディアで報道されていることから、島から救出されるのは計6名と考えられる。残りの3名は誰か? 残りの人々はどうなったのか? 彼らを救出したのは島の付近まで迫った貨物船なのだろうか?

 シーズン3の最終話において、未来のジャックはケイトに島に戻ろうと呼びかける。あれほどの苦労をして脱出しながら、どうして島に戻らなくてはならないのだろうか?

 ジャックをはじめ、ケイトやハーリーなど、島を脱出した「オーシャニック6」はどういうわけか揃って不幸になっている。ジャックが「もう嘘はこりごりだ」と発言していることから、救出の際になんらかの代償を払ったものと思われる。しかし、暇があれば再び事故に遭うこと期待してオーシャニック航空を利用する様子を見る限り、ジャックを突き動かしているのは後悔の念や現状への不満よりも、飢えにも似た島への切望だ。いったい、島の何に取り憑かれているのだろうか?

 デズモンドは、「スワン」の安全装置の鍵を回したことがきっかけで予知能力を得るようになった。同施設が暴走したとき放たれた大量の電磁波を浴びたことが原因で、未来の映像が脳裏に浮かぶばかりか、意識を過去にタイムスリップさせることができる。デズモンドの身に起きた症状は、島の特性と密接に関わっているものと考えられ、タイムトラベルはシーズン4の大きなテーマとなっている。新キャラクターの物理学者ダニエル・ファラデイ(ジェレミー・デイビス)の言動に注目である。

 島で女性が妊娠した場合、妊娠6カ月までのあいだに100%死亡する。原因は明らかになっておらず、「他のものたち」は不妊治療医のジュリエットに研究させたものの、いまだに原因究明には至っていない。クレアは島にやってくるまえに受精したため、無事アーロンを出産。しかし、サンはジンとの子供を島で妊娠しており、早急に島を脱出しなければ、母子共に死亡する可能性がある。

(小西未来)

「LOST」の作品トップへ