LOST シーズン3 : インタビュー
eiga.comの連載FROM HOLLYWOOD CAFEでもお馴染み、ロサンゼルス在住・小西未来氏が「LOST」シーズン3の注目キャスト4人、マイケル・エマーソン、エリザベス・ミッチェル、ロドリゴ・サントロ、キエレ・サンチェスへ直撃インタビュー。
前日までシナリオがもらえず、まさにLOST状態
■キエレ・サンチェス(ニッキー)
――「LOST」はご存知でしたか?
「もちろんよ! TV史上に残る傑作番組だもの。登場人物たちが島にやってくる以前のバックストーリーが大好きだし、彼らが島にやってきてからどうしてあれほど変わってしまったのか、その謎にも強く惹かれるし」
――ロドリゴ・サントロは演じるキャラクターについてなにも知らないと言っていましたが、あなたも同様なんですか?
「実は出演交渉のときに、プロデューサーがかなり詳しく教えてくれたの。長い打ち合わせを通じて、私はニッキーというキャラクターを理解することができた。でも、いったんハワイに言ったら、なにも教えてもらえなくて。そもそも、撮影の前日までシナリオをもらえないなんて、それまでの経験からしたら考えられないことだった。だから、ものすごく混乱した。まさにLOST状態で(笑)」
――それって、面白いですね。番組を見るかぎり、壮大なプランに沿って着々とストーリーが進んでいるように見えますが、現場では……。
「誰も、なんにも知らされてないの(笑)」
――(笑)。
「わたしたち役者には、壮大な謎のほんの一部しか教えてもらえなくて、“もったいぶってないで、さっさと教えてよ!”ってプロデューサーに言いたくなる。でも、これが彼らのやり方だし、シナリオは細部まで徹底的にこだわっていて、よくもこれだけたくさんのミステリーを同時に扱いつつも、破綻させずにいられるものだと感心するほどよ。そのうえ、シンボルだのヒントなどがあちこちに散りばめられていて、ずっと後になって、“ああ、あれはこういう意味だったんだ!”と分かる仕掛けになっていて」
――なにも教えてもらえない状態で、どうやって演技をしているんですか?
「最初は、怖くて怖くて仕方がなかった。なにしろ、役者として自分が築き上げたメソッドが、全く使えなかったから。準備をしようにも、取っかかりになる情報がまるでなくて。それで、勝手にキャラクターを作ることに決めたの。ニッキーのバックストーリーから、島をめぐるミステリーの答えまで、自分で全部作り上げた。プロデューサーたちが考えているものとは全く違っているだろうけれど、演技をするためには土台となる情報が必要だったから、全部でっち上げたわ(笑)」
(小西未来)