LOST シーズン3 : インタビュー

eiga.comの連載FROM HOLLYWOOD CAFEでもお馴染み、ロサンゼルス在住・小西未来氏が「LOST」シーズン3の注目キャスト4人、マイケル・エマーソン、エリザベス・ミッチェル、ロドリゴ・サントロ、キエレ・サンチェスへ直撃インタビュー。

不気味に見えるのはベンが常に冷静沈着だから

■マイケル・エマーソン(ベン)

――シーズン2の途中でヘンリー・ゲイル役としてキャストされたとき、あなたのキャラクターがこれほど魅力的な人物になると予想していましたか?

「いいや、全く。ただ、やりがいのあるものになるだろうという予感はあったな。出演を決めたとき、僕のキャラクターはまだ書かれていなかったんだ。当時はまだラフなアイデアしかない状態で。でも、プロデューサーから電話で簡単な説明を受けただけで、僕はたちまち興奮したよ。で、そのときの会話がもとになって、キャラクターがどんどん発展していったんだ」

――あなたが演じるベンは、キャストの中でももっとも不気味な存在ですよね。

「実は、不気味に演じているつもりはないんだ。みんなに薄気味悪いと思われているのは知っているけれど、僕は自分の職務に専念している人物を演じているだけで。不気味に見えるのは、ベンが常に冷静沈着で、感情を表に出さないからじゃないかな。なにを考えているのかわからないから、周囲の不安を煽るんじゃないかな」

――ベンは"他のものたち”のリーダー的存在ですが、あなたは"他のものたち”がいかなる集団なのか、どの程度ご存知なんですか?

「ストーリーの長期プランについてはなにも知らされていないんだ。実際、新しいエピソードの脚本が届けられて、ようやく“次はこういう展開になるのか”と分かるくらいだから。ただ、"他のものたち”に関して自分なりの解釈はある。僕の解釈は、脚本家たちが思い描いているものよりも、ずっとヒロイックで、全くの的はずれかもしれないけれど」

――ぜひ、聞かせてください。

「"他のものたち”とは、おそらくなにかの使命を持った人たちの集まりだ。その使命というものが、政治的なものなのか、倫理的なものなのか、僕には分からない。彼らは自由を求めて戦う戦闘集団のような存在だと、勝手に解釈している。"他のものたち”がどんな敵と戦っているのかは、今のところ分からないんだけどね」

――その解釈って、かなり正解に近いんじゃないですか。

「そう思う。それに、たとえ間違っていたとしても、自分なりの俯瞰図を持って撮影に臨めば、各シーンでどのように演技をすれば良いか自ずと分かるんだ。それに、これまでこの調子で演技をやってきて、“なんでそんな演技をするんだ”とか、“全然、ベンを理解していないじゃないか”といった文句をプロデューサーから言われていないから、的はずれな解釈というわけでもないんだろうね」

――「LOST」といえば、多彩な登場人物が魅力のひとつですが、他の役者とキャラクターを交換できるとしたら、どのキャラクターに挑戦してみたいですか?

「サイードかな。別の訛りを使って演じれば、きっと楽しいだろうね。僕がやったら全く違ったサイードになってしまうだろうけどね(笑)」

(小西未来)

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