LOST シーズン1 : インタビュー
ジャックに彼の父親と会ったことを告げる場面がお気に入り
■ジョシュ・ホロウェイ(ソーヤー)
――ソーヤーを演じるのはいかがですか?
「アメリカの南部出身の男の役をやるのは面白いよね。それも、教養がなくて、女房を殴るビール腹の大酒飲みっていう典型的なタイプじゃなくて、悪い奴ではあるけど愚かではないっていう興味深いキャラクターで。実際、南部出身の知り合いも、ソーヤーのキャラクター設定を気に入ってくれたよ」
――最初は憎まれ役だったソーヤーも、ストーリーが進むにしたがってどんどん変わりますよね。
「そうだね、彼は少しだけヒーローらしくなる。いかだに乗って繰り出したり、網を張ったりして仲間に溶け込む努力をする。自己中心的ではあるけれど、助けを求める人には手を差し伸べるようになる。ただ、あまり良い奴になってしまうと話がつまらなくなるから、すぐにまた彼らしさが頭をもたげてくるようになるんじゃないかな。僕としてはちょっと複雑な気持ちだな」
――これまで演じた中で、いちばん難しかったのはどの場面ですか。
「うーん、肉体的には拷問されたところだね。2日間続けて14時間もひざまずいていたし、腕を縛られたままもがいたりしたから、それは痛かったよ。もう36歳だから、長時間ひざまづくのは体に堪えるよ。
演技面でいえば、マシューが演じるジャックに、バーで彼の父親と会ったことを告げる場面が好きだね。あのシーンは演じるのは本当に難しかった。父親がジャックのことを愛していたということを、あからさまではなく、それとなくわからせるような話し方で伝えようとして。あの微妙なニュアンスを表現するのは非常に難しかったけど楽しくもあったし、上手くやれたことを自慢したい気持ちだな。マシューと共演するのはいつでも楽しいよ。すばらしい俳優だから、彼と共演させてもらってとてもありがたいと思う」
――「LOST」で一気にブレイクしましたが、生活は変わりましたか?
「意識としては変わっていないつもりだけど、実際にはずいぶん変わった。なにより行動に気をつけなければならなくなった。誰だって気分の悪い日やむしゃくしゃすることがあるけど、いまではそれを表に出すことができない。それに、みんなに楽しみを与える立場の人間だから、写真やサインにできるだけ応じようと心がけているけど、ちょっと大変になってきているのも事実なんだ。ただ、ファンからはエネルギーを貰っているし、要は上手にこなす術を身につければいいだけのことなんだけどね」
(小西未来)