CSI マイアミ シーズン6 : 特集
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「24」や「プリズン・ブレイク」のような派手さはないが、海外TVドラマブームの前から安定した人気をキープし、大人のファンたちに特に評価されているのが「CSI」シリーズ。なぜこのシリーズは面白いのか。「CSI:マイアミ」シーズン6DVDボックス1が発売された今、その人気の理由を探ってみよう。
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このドラマの主人公たちは、CSIの職員。CSI(Crime Scene Investigation)=犯罪現場捜査班とは、日本で言う鑑識のこと。彼らは、犯罪が起こった現場に行って、細かな物的証拠を採取し、それを科学的な専門技術で分析して、事件の真相を解明する。いわば本作は、「物的証拠」と「科学技術」による「理系」の捜査ドラマなのだ。
それまでの犯罪ドラマといえば、捜査官と容疑者の心理的攻防戦が主軸となるいわば「文系」の捜査ドラマが多かった。だからこそ、この「理系」捜査ドラマは新鮮で、その後、こうした「理系」の「特殊技術」を使う捜査ドラマが続々誕生。「CSI」が2000年に放送開始され、「CSI:マイアミ」が02年から、「CSI:ニューヨーク」が04年にスタートし、05年には「BONES/骨は語る」「NUMBERS/天才数学者の事件ファイル」「クリミナル・マインド/FBI行動分析課」がそろって放送開始されている。ジャンルは違うが04年スタートの理系医療ドラマ「Dr.HOUSE」もこの系譜。
また「CSI」シリーズで製作総指揮を務めるジェリー・ブラッカイマーは、同じ「技術集団による捜査ドラマ」というモチーフで、もうひとつドラマを製作。FBI失踪者特別捜査班を主人公にした「WITHOUT A TRACE/FBI失踪者を追え!」が02年に放送開始している。
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ドラマの中で使われる最新の科学技術は本モノ。例えば、犯罪現場の床に残ったひとつの血痕が、どんな情報を与えてくれるのか。CSIのメンバーは血痕の位置とサイズ、形状から犯人の行動を測定し、血液の成分から被害者の身体の状況を分析する。たったひとつの物的証拠が与えてくれる情報の豊かさは、目を見張るばかり。こうした最先端の科学技術の驚異的な能力が、新鮮な驚きを与えてくれるのも本作の魅力。そのあまりのリアルさに、警察当局から、犯罪者が参考にするから表現を自重してほしいという要望が入ったとの噂も流れている。
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実は、CSIチームの作業はかなり地味。ピンセットでゴミを集めたり、顕微鏡を覗いたり、データを分析機に掛けて結果を待ったり、ひとつひとつの作業は、とても地道なものだ。だが、その作業を積み重ねていった先に、大きな展開が待っている。その事件の背後に隠されていた事実が明らかになり、まったく別のドラマが見えてくるのだ。その達成感が、本作の大きな魅力。実生活では、地道な作業が評価されることは少ないが、このドラマでは、目に見える結果となって現れる。
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主人公たちの作業は地味だが、ドラマの映像と音楽は、観客の目と耳を飽きさせない。実験室に溢れる光は青や黄色の極彩色で、人物は動かなくてもカメラのコマ割りは細かく律動的。被害者の身体内部の状況は派手なCG映像で再現される。さらに場面が変わるごとに多種多様の音楽を使用。やり手ギャングが登場すれば現代的なヒップホップ、夜の街路では叙情的なポピュラーソングが流れる。この映像と音楽でドラマを盛り上げる演出は、ド派手な大作映画を得意とする本作の製作総指揮者、ジェリー・ブラッカイマーの得意技。
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TVシリーズは、どうしてもレギュラー陣の人間関係や恋愛模様で観客を引っ張っていく形式になりやすいが、このシリーズは別。もちろん、人間関係が描かれないわけではないが、あくまでもドラマの中心は「犯罪捜査」。しかもシーズンに1回ほどの2話連続を除いて、通常は「1話完結」。そこで、どこから見ても、1話だけ見ても楽しめる。忙しい大人の観客には、このポイントも大きな魅力に違いない。